ショタコン系少女、目覚めちゃいました。【文スト】 (ページ2)

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出会った日。ページ2

NOside

夜＿バールパンにて＿＿

ｺﾂ、ｺﾂ、ｺﾂ…

「嗚呼、誰かと思ったら、貴方でしたか」

ポートマフィア秘密諜報員＿坂口安吾は
グラスの中に入っている、一つの氷(アイス)を眺め乍云う。

「やァ、織田作、安吾」

坂口の呼び掛けに答えるように、ポートマフィア最少年幹部＿太宰治は先客の二人に挨拶を交わす。

「久しぶりだな、太宰」

太宰の方に顔を向けて、少し乍も微笑するように話しかける、ポートマフィア最下級構成員＿織田作之助。

「……」

それに、太宰の黒外套の裾をギュッと握り締めて、下を向いている少女が一人。

何時もとは違い、太宰は一人の小柄な少女を連れてきていた。

フードを被っていて余り良く見えないが
百六十有るか無いか位の、甘栗色の髪の少女。

太宰は坂口と織田作に挨拶した位置から全く動かず、唯ニコニコしている。

その事を不審に思ったのか、坂口は太宰に話し掛ける。

「太宰君、何故椅子に座らないのですか？

…それと、其の少女は」

そう一言添えるように少女について問い掛けると、太宰はニコォっとより笑顔になり、

「いやぁ…善くぞ聞いてくれたね！」

と上機嫌に答えた。

太宰は自分の外套を掴んでいる少女の手を引っ張り、自分の前に出す。

其の行動に驚いたのか、「わっ！？」と少女の口から声が聞こえた。

「一つ目の解答は、安吾が聞いてくれるのを待っていたから。

二つ目の解答は…」

其処まで云うと、少女の被っていたフードをバッと捲りあげ、肩を抱いて自分の方へ寄せる。

「＿××の組織から攫ってきた」

少女の顔を見た瞬間、坂口は絶句した。
××の組織、と云えばマフィアへの上納金ランキングの中でも五本指に入る存在だ。

××の組織の娘＿少女は以前から組織の両親と共に何度もマフィアを出入りしていた。
親からも異常な程の愛情を受けて育っていると云う噂も聞いたことがある。

何故、その少女が此処に。

そう坂口が一杯一杯に思考を巡らせて居ることも梅雨知らず、織田作はじっと少女の顔を見つめていた。

「ふふふふ、安吾がそんなに難しそうな顔をするのは初めて見たような気がするよ」

ゆっくりと少女の髪を撫で乍、笑顔を崩さずにそう云う。

「＿まァ、"攫ってきた"と云うより、消して"連れてきた"に近いけどね」

その言葉に坂口はガタッと椅子を揺らしながら立ち、

「真逆…！？太宰君、××の組織を消したというのですか！？」

店内に響くような声で叫ぶ。