【ハイキュー】彼女がマネージャーをやる理由

誇れる異名 ページ28

「お前、縛りの蛇なのか」


「……なんですかソレ」





先程から出る単語。


私のことを指しているのは分かる。



でもなにを？






ウシワカが知っているとなればバレーか？

公式戦は中総体１度だけだ。






「ある年の中学総合体育大会。


　全国優勝候補だと言われた学校と当たった中学は、
　ほとんど記録を残していなくて、１試合目勝てたのもマグレ。

　２試合目、シードのその学校と戦っている途中、エースが倒れた。


　99％スパイクは入らないと思われた。




　──が、１年でスタメンに入った選手の逆襲。

　エースのサーブをことごとく拾い、スパイクに走る。



　絶対的集中は、エースを怯ませた。

　“縛り”。マークと呼ばれる由来。






　──そして。相手のマッチポイント。
　点差が動いた。




　１年の選手が、スパイクを決めた」




「ボールしか見ていない。



　仲間だろうと敵だろうと視界に入った者は潰す。


　それまさしく、蛇」




「故に、その試合を見た者は無名の選手をこう呼んだ。





　敬意と驚愕を持って、《縛りの蛇》と」







トクン、と心臓が高鳴った。



無名の選手。



絶対的集中。








「その後、縛りの蛇が中学バレー界に現れることはなく、

　その名は大会を見た者しか知らない」






【縛りの蛇】





厨２臭い？

神話みたい？

──上等だ。





人づてに聞いたその異名。









　









　









　









私の、リベロとしての誇りだ。

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