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■人を喰わない証明 ページ21

「まぁいいじゃないですか。大人しくついて来てくれましたし。それよりも私は坊やの方から話を聞きたいですよ。処罰は後で考えましょう」


蟲柱 胡蝶しのぶ



しのぶがやんわりと蛇柱を抑えた。

炭治郎は僕達を見て困惑していたが、しのぶの言う事を聞き喋ろうと口を開く。



「ゲホッゲホッ」




然し、顎を痛めたのか声が上手く出ていない。

しまった。あの時もう少し優しく押せばよかった。と後悔する中、しのぶが鎮痛薬が入った水を炭治郎に飲ませる。

一度息を吐いた後、炭治郎はもう一度口を開いた。




「……俺の妹は鬼になりました。だけど人を喰ったことはないんです。今でも、これからも。人を傷つけることは絶対にしません」

『炭治郎……』



必死に僕達を見ながら訴える炭治郎。

その訴えも虚しく消え、柱達は反発した。



「くだらない妄言を吐き散らすな。そもそも身内なら庇って当たり前。言うこと全て信用できない。信用しない」

「あああ…鬼に取り憑かれているのだ。早くこの哀れな子供を殺して解き放ってあげよう」


「っ聞いてください!!俺は禰豆子を治す為に剣士になったんです。
禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間禰豆子は人を喰ったりしてない!」

『……んむっ』



口を挟もうとした時、隣に居た錆兎に口を塞がれた。



「話が地味にぐるぐる回ってるぞアホが。人を喰ってないこと、これからも喰わないこと。口先だけでなくド派手に証明してみせろ」



確かに僕は目の前で禰豆子が人を喰わない事を証明した。

けれど、柱は何も見ちゃい無い。禰豆子が二年以上も人を喰ってないこと、証明も。



「あのぉ、でも疑問があるんですけど…お館様がこのことを把握してないとは思えないです。勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?

いらっしゃるまでとりあえず待った方が…」



恋柱が恐る恐る他の柱を見ながら呟いた。

それも一理ある。何よりお館様を神のように尊敬している柱だ。そう言われれば、処分を決めるのは遅くなるだろう。



「妹は俺と一緒に戦えます!鬼殺隊として人を守る為に戦えるんです!!だから、」

「オイオイ。何だか面白いことになってるなァ」



炭治郎が再び訴えた刹那───低い声が轟いた。

それと同時に「困ります不死川様!」と隠の声が聞こえた。




その声がする方を向けば、傷だらけの男が禰豆子が入った箱を片手に持っていた。

終わり ログインすれば
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黒豆粉 - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!更新楽しみに待ってます!応援しています。頑張ってください! (2020年3月13日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 夢主君ってどんな音とか匂いがするんだろ…気になる… (2020年2月22日 15時) (レス) id: dac3466e7c (このIDを非表示/違反報告)
レンゲ - わーい!続編だー!! (2020年1月1日 9時) (レス) id: 705f08a40d (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - モカさん» ありがとうございます!! (2019年12月30日 13時) (レス) id: a6ec0cb896 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - 続編おめでとうございます!! (2019年12月29日 18時) (レス) id: b98e8ac430 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロネコ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月29日 13時

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