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■証明 ページ11

「姉さん…!」


姉の目覚めを待ち、陰で泣くしのぶ。

あの子は変わってしまったと、お館様から訊いた。


あの時、僕がもっと早く来ていれば…もっと強ければ

なんて、後悔したって時を戻せる術はない。



貼り付けたような笑み。

その裏には鬼に対しての激しい“怒り”そして、“憎しみ”



「生きて帰ってくるのよ」



しのぶが継子を最終選別に送る際に必ず言う言葉。

それでも、継子はカナヲ以外に帰ってくることは無かった。


亡くなってしまった継子を思い出して、泣くしのぶ。

そんな彼女に、何も出来ない役立たずの僕。



………嗚呼、ごめんなさい師範。

貴方の命令を背きます。



『…なら、証明して見せてよ』



僕は腕に小さく切り口を入れて、血を流す。

その腕を鬼に差し出した。



「……むん」



鬼はかぶりつくことなく、僕の腕からぷいっと顔を背けた。



『…そう』



そっと鞘に刀を戻す。

炭治郎達はそれを見て目を見開き、驚いていた。




「A…?い、良いのか…」

『何?頚刎ねて欲しいの?』

「い、いやっ…ありがとう」



お礼を言いながら微笑む炭治郎。

彼からそっと視線を逸らす。



『勘違いしないで。人を襲えば容赦なく斬る』

「嗚呼、でも俺がそんなことさせない」




炭治郎は妹の頭を撫でる。


妹は嬉しそうに。善逸は微笑ましそうに。

伊之助は……寝ていた。



「絶対に人間に戻してやるからな」

「むぅ!」

「かっ可愛いよぉ、禰豆子ちゃあん!!

『気持ち悪…』

「訊こえてるんだけど。俺、耳良いからさぁ!?」

『…耳が良い?』



訊き返せば、「あっ…」と気まづそうにする善逸。

そういえば、さっきも優しい“音”がするって言ってたな。




「俺ね、人より聴覚が良いんだ。

だから、人の気持ちがわかるわだよね…気持ち悪いでしょ?」



乾いた笑みを浮かべる善逸。




『別に気持ち悪くなんてない。
音が聞こえるんだったら、鬼の音も聞き分けられるんでしょ?それって凄いことだと僕は思うけどな…』

「ほ、ほんとっ?気持ち悪くない??」

『人より優れた物を持ってるなんていい事だと思うよ。カッコイイ』

「〜〜〜〜〜ッAーー!!!!」



大声で名前を叫びながら僕に抱きつく善逸。

首閉まってるからやめてほしいんだけど。



「俺も鼻が良いんだ!」

『そうなの?僕は目かな』

「目?」

『うん。鬼の色が見える』

「へぇー、すごいなAは!」

『炭治郎も凄いよ』

■ほわほわ→←■たった一人の家族



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黒豆粉 - 続編おめでとうございます!とっても面白いです!更新楽しみに待ってます!応援しています。頑張ってください! (2020年3月13日 23時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん - 夢主君ってどんな音とか匂いがするんだろ…気になる… (2020年2月22日 15時) (レス) id: dac3466e7c (このIDを非表示/違反報告)
レンゲ - わーい!続編だー!! (2020年1月1日 9時) (レス) id: 705f08a40d (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - モカさん» ありがとうございます!! (2019年12月30日 13時) (レス) id: a6ec0cb896 (このIDを非表示/違反報告)
モカ - 続編おめでとうございます!! (2019年12月29日 18時) (レス) id: b98e8ac430 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロネコ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月29日 13時

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