拾弐 ページ13
翌朝、身支度を終えた五条さんに抱えられ、何処かへ連れて行かれる。
木造の建物ばかり見てきたけど、今日来たところはコンクリートで出来たような無機質な場所。
人気もあまりなくて病院のように感じる。
白い引き戸が開くとそこは医務室だった。
消毒液の匂いが鼻をつく。
五条「硝子いるー?」
ツカツカと中に入りながら五条さんは声をかける。
すると奥から手にファイルを持った焦げ茶色の髪の女性がヒールの音を鳴らしながら歩いてきた。
?「朝っぱらから何の用?」
仕事が忙しいのか隈が出来ている。
可能なら休んでいただきたい…。
五条「この子の調べて欲しいんだけど、いいよね?」
?「呪いがかかった子猫?どこで拾って来たんだ?」
五条「この子はA。この変な呪いのせいで猫になってるけど本当は人間だよ」
?「そんな呪い聞いたことないけど」
五条「だよね。僕もない」
五条さんとは随分親しいようだ。
とても綺麗な人だし、恋人かな?
美男美女カップルで素敵だ。
内心勝手に興奮しつつ、「初めまして。朝早くにすみません」と声をかける。
彼女は一瞬目を丸くして驚いたようだったが、すぐに近くまで寄ってきてくれた。
家入「いいのよ。私は家入硝子。随分厄介な呪いをかけられたみたいね」
五条「僕の眼でも分からないんだよね。解呪まで時間かかりそうでさ。とりあえず身体検査だけして」
家入「いいよ。今誰もいないし」
A「すみません、お世話になります…」
本当は一度、体調には問題ないからと断ったのだが、五条さんがどうしても心配だからとほぼ強制的にここへ来たわけだけど…
仕事の邪魔にならないのかしら…。
家入さんは私を五条さんから受け取ると優しく抱きかかえてくれる。
消毒液の匂いと共に女性ならではのお花のような優しい匂いがした。
五条「じゃ、僕任務あるからAのことお願いね」
家入「分かったからさっさと行け。いつまでも撫でるな」
私の頭を撫で続けて離れようとしない五条さんをしっしっと手を振って犬のように追い払う。
五条「夕方迎えに来るから待っててね。行ってきまーす」
A「はい。行ってらっしゃいませ」
五条さんは上機嫌で鼻歌を歌いながら医務室を後にする。
二人きりになった私が家入さんを見上げると彼女もまた目を合わせてくれて柔らかく微笑まれる。
家入「厄介な奴に捕まったね」
私が彼女の言葉を理解することになるのはまだ先のことだった。
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Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 遅くなってごめんなさい!続き楽しみにしてます (2022年7月9日 9時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» わわっ!嬉しい!恐縮です。ありがとうございます! (2022年6月11日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 更紗和金さん» 寧ろ文才分けてほしいくらいです! (2022年6月10日 23時) (レス) id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
更紗和金(プロフ) - Mamiさん» 自分ではちゃんとエロい感じになっているのか首を傾げながら書いているので、そう言っていただけると幸いです。ありがとうございます! (2022年6月3日 20時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 先生エロい感じが良い! (2022年6月2日 21時) (レス) @page31 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:更紗和金 | 作成日時:2022年5月20日 23時