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三十五話 ページ36

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「……可愛い」



そう小声で呟いた相澤さん……いやあの貴方が可愛いです。






_______そうだ、いいこと思いついた。







「……?何やってるんだ?」


『……んー……はい、どうぞ!』








差し出した白い方のバングル。
相澤さんは不思議そうに頭をかしげる。



手を出すように言うと、素直にこちらに手を向ける。
素早くバングルを取り付けると、驚いたように2度3度目を瞬かせた。







『えへへ、プレゼント?です!お揃いですね〜』


「……」


『……あ、あれ……嫌……でしたか?』





ぎゅっと口を固く結んだ相澤さんを見てだんだん不安になってくる。
余計なお世話、だったかな。






「ああ、嫌だな。……Aともう会えないみたいで」





そう言って、私が付けたバングルを握りしめながら俯いた。



呼び捨てにされた驚きと不意打ちのデレで殺されそうになる。すみません不謹慎ですね黙ります。





頭はこんな感じで冷静だけど心臓はバクバクいってるし、顔には熱が集まってきていて暑い。









「……ふ、顔真っ赤だな」


『う、うう俯いてたじゃないですかさっきまで……!』






真っ赤になった顔を隠すように俯くと、頰を掴まれ上を向かされた。
目の前には相澤さんの顔が……って近い!


……よく見ると、相澤さんの顔も心なしか赤いような……、








「……お前だけが照れてると思うな……」


『……!』






さらりと頭を撫でたあと、そそくさと病室を出て行った。

長い髪からチラリと見える耳が赤く染まっていて、「同じ気持ちなんだ」とどうしようもなく嬉しくなる。




相澤さんが帰った病室は静かで、開けられた窓から小さくスズメの鳴く声が聞こえた。



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サクラ(プロフ) - 桜音@さん» 絶対見ます!!!相澤先生が大好きなのでめっちゃ嬉しいです!お気に入りに追加させていただきます!これからも頑張ってください!応援してます!!! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 1bea3ff93b (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - サクラさん» わああありがとうございます!番外編では、本編で少なかったと思われるイチャイチャを増やしたいと目論んでおります……良ければ覗いて下さると嬉しいです! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 立花 雪さん» んんん泣いてくださったとは…!!!有難い!!(こいつ)泣ける作品目指してました…。続編でもよろしくお願いします〜〜! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - すいさん» ウ"ッッッありがとうございます…!!実は書いた中で一番気に入っているストーリーなので嬉しいです……。続編を作成いたしましたので覗いて下さると嬉しいです!相澤先生好きが増えて本望です…! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ泣いた、続編みたいし番外編で椎名さんと相澤先生のイチャつきがみたい!めっちゃ感動しました! (2018年6月16日 9時) (レス) id: 1bea3ff93b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜音@ | 作成日時:2018年5月4日 15時

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