十八話 ページ19
.
『すみません、迷惑かけて……ありがとうございました』
「いいっていいって！でも気をつけてよ〜？まだ7時すぎだけどこの辺りは暗いし」
夢我さんのお陰で無事家に着いた。
家の中が明るくなっているから、もう相澤さんは帰ってきてるんだろう。
残業……あれ、残業……。
……まあでも相澤さんがサボるなんてちょっと考えられないし、たまたま早く終わったのかな。
じゃあね〜と言いながら階段を下りていく夢我さんにお辞儀をする。とりあえず家に入るまでは待とう。
階段を下りる音が無くなり、ドアを開ける音が…………しない？
不思議に思い身を乗り出すと、家には入らず再度外に向かっていく姿が見えた。
……もしかして、用事があるのに優先してくれたの？
.
_______もしそうだとしたら、今度お礼言わなきゃな。
そんなことを考え家に入っていく。
もう、夢我さんに対する恐怖なんて微塵も残っていなかった。
『ただいま帰りましたー。相澤さん、残業大丈夫だったんですか？』
「なんかマイ……いや、同僚が手伝ってくれて早く終わったから」
マイ……なんちゃらさん優しいな。
『あっ、ご飯食べますよね？今から作るので……！』
「……？何処行ってたんだ」
『醤油切れてたので、買い足しに……道中色々あって遅くなっちゃいました』
へへ、と笑うと色々？と言って顔を顰められた。待って怖い、顔が。
「何があったんだ」
肩を掴まれ少し動揺する。
少し焦ったような、怒ったような顔に面食らう。
『いえ、もう大丈夫ですよ……！』
「……無理するな。怖いことあったんだろ、顔色悪いし少し震えてる」
相澤さんはそう言って、「俺そんな頼りないか」とぼそりと呟いた。
_______……心配、してくれてるの？
……所詮、居候なのに
『……ストーカー、が…………夢我さんと帰ってきたんですけど……』
「……ったく、何を考えて黙ってたのかは分からんが……たとえ居候と家主の関係でも心配はするし、……頼ってほしい」
『……っはい……！』
あとはあんまり夜に1人で出歩くなよ、そう言って相澤さんは私の頭をポンポンと撫でた。
収まっていた筈の鼓動が再度高鳴る。恥ずかしくて、でも嬉しくて。顔に熱が集まる。
これって、この感情って。
.
まさか、ね。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 415人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サクラ(プロフ) - 桜音@さん» 絶対見ます!!!相澤先生が大好きなのでめっちゃ嬉しいです！お気に入りに追加させていただきます！これからも頑張ってください！応援してます!!! (2018年6月16日 11時) (
レス) id: 1bea3ff93b (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - サクラさん» わああありがとうございます！番外編では、本編で少なかったと思われるイチャイチャを増やしたいと目論んでおります……良ければ覗いて下さると嬉しいです！ (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 立花 雪さん» んんん泣いてくださったとは…！！！有難い！！（こいつ）泣ける作品目指してました…。続編でもよろしくお願いします〜〜！ (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - すいさん» ウ"ッッッありがとうございます…！！実は書いた中で一番気に入っているストーリーなので嬉しいです……。続編を作成いたしましたので覗いて下さると嬉しいです！相澤先生好きが増えて本望です…！ (2018年6月16日 11時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - めっちゃ泣いた、続編みたいし番外編で椎名さんと相澤先生のイチャつきがみたい！めっちゃ感動しました！ (2018年6月16日 9時) (レス) id: 1bea3ff93b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜音@ | 作成日時：2018年5月4日 15時
