少しの変化＿3日目 ページ7
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あいつと会ってから早くも3日目の夜
無幸多は、相変わらず病院の見回りを抜け出しては路地裏に息を潜めていた
俺を見つけては ぶんぶんと腕を振り、こちらへ来いと訴えかける
少し歩くスピードを速め、あいつの元にたどり着いた
『もー！おっそいよイレイザーさん！ 僕、ビックニュースを持ってきたってのに！』
「はいはい、んで、ビックニュースってのは？」
むすりと不機嫌そうな顔をする無幸多を軽くあしらいながら問うた
『むー……あのね、私の病室のお隣さんが今日の昼退院したんだあ！悲しかったけど元気になってて良かったよ！今度遊びに来てくれるって！』
ニコニコと笑顔で話す無幸多
しかしその目には哀しみの感情が見え隠れしていた
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無幸多は入院生活が人より何倍も長い
仲良くなった相手が 自分より早く退院してしまうのを何度も見てきていたのだろう
そう考えると、少しだけ胸が痛くなった
俺は、どう返していいのか分からず、良かったな と呟き、会話が終了した
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俺とあいつの間に無言が続く
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そろそろ気まずくなってきたのか、無幸多は俺を少し見上げ
『……悲しいけど、……ほんとは退院なんてしてほしくなかったけど、』
_______イレイザーさんが、こうやって僕のお話聞いてくれるから
_______少し元気になれたよ
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「……そう、か」
突然の告白に困惑しながらも無幸多の頭に手を乗せる
頭を撫でられる経験があまりなかったのか、びくりと肩を揺らすもすぐに目を閉じ気持ち良さそうな笑みを浮かべた
『イレイザーさんの手落ち着くなあ……教師向いてんじゃない？』
「手だけだろ」
『……こうやって撫でてくれるのはポイント高い。……なんだろ、ほーよーりょく？だっけ……うん、それがイレイザーさんには備わってる』
「包容力、か」
会って3日目、他人も同然な無幸多に言ってもらった言葉は、何故か 俺の胸にすとん、と落ちた
頭を撫でながら小さく、聞こえないように感謝の意を述べる
「……ありがとな」
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すると地獄耳でも持っているのか、んふふと笑いながら
『どういたしまして』
と返ってきた
たった3日、されど3日
いつの間にか、楽しいと感じるようになった
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ヒロアカ好き(プロフ) - この小説見てたら涙が出そうでした…素敵な作品です…はい……これからも頑張ってくだせーです!!!!!! (2019年1月8日 13時) (
レス) id: 36ed8bcda8 (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - つばきさん» コメントありがとうございます！返信が遅くなってしまい大変申し訳ないです……泣ける作品目指してたので本望です…！！応援のコメントを糧に、これからも頑張ります〜〜！ (2018年6月15日 22時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - 素敵な作品ですね！読んでて泣いちゃいました！これからも、頑張ってください！ (2018年5月27日 12時) (レス) id: ff7c5487c1 (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 鈴木さん» 了解です！！コメントありがとうございました！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 桃味チョコレートさん» 了解です〜〜！！コメントありがとうございます！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜音@ | 作成日時：2018年2月10日 18時
