影＿5日目 ページ11
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『んしょっ……と、……はあ、……はあ……』
見回りの先生が出て行ったのを確認してから、そろりそろりと窓を開け 木と雨樋を伝いながら地面に降りる
ほぼ運動をしていないためだろうか、少し動くだけでも息切れが生じる
雨樋を見上げると登ってくれ、とも言わんばかりに突起があり抜け出すのはそこまで難しいものではない……のだが
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『(“もう少し”……だからかな)』
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ふとそんな事を考えては、ふるふるとかぶりを振る
駄目だ駄目だ、少なくともあと2日の猶予がある
それに、僕も助けてくれたあの人の約束を破るなんてことできない
『……早く行こーっと』
何時ものように あの路地裏に入り、イレイザーさんが来るのを待つ
が、
『……来ない……』
今まで少し遅れることはあったものの、ここまで遅れることは無かった
……どうしたのかな
……何かあったのかな
否、
『……飽きられた、のかな』
考えもしたくないことが脳裏を掠める
心臓は、僕の焦りを表すかのようにドクンドクンと打ち鳴らす
『……っは、は、……うっ……』
だんだん不安定になる呼吸
それと同時に胃のあたりが不調を訴える
喉の奥底の方で鉄の匂いがした
瞬間、
『う、ぇっ……げほっ、けほっ……おえ……っ』
口からビチャビチャと赤い液体が溢れた
その鮮やかな色に眩暈を起こす
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……ここまで、弱ってるなんて 聞いてない
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この現状から目を背けたかった
実は夢オチで、起きたらベッドに……なんて、微かな望みは
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『はあ……っ、けほ、……は……』
口から垂れる、地面に付いた赤色は 嫌でも僕を絶望へと引き込む
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イレイザーさん早く来て、やだ、来ないで、見ないで
そんな支離滅裂な思考が脳を駆け巡る
いよいよ血が足りなくなってきたのか目の前が霞み始める
壁に手を付きながら足を支えるのが精一杯
……もう、死ぬ
そう、思った時だった
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「……！おい、無幸多！？どうした！」
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月も出ていない夜
だけど、僕には誰か分かった
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ああ、やっぱり助けてくれるんだね
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ヒロアカ好き(プロフ) - この小説見てたら涙が出そうでした…素敵な作品です…はい……これからも頑張ってくだせーです!!!!!! (2019年1月8日 13時) (
レス) id: 36ed8bcda8 (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - つばきさん» コメントありがとうございます！返信が遅くなってしまい大変申し訳ないです……泣ける作品目指してたので本望です…！！応援のコメントを糧に、これからも頑張ります〜〜！ (2018年6月15日 22時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - 素敵な作品ですね！読んでて泣いちゃいました！これからも、頑張ってください！ (2018年5月27日 12時) (レス) id: ff7c5487c1 (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 鈴木さん» 了解です！！コメントありがとうございました！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
桜音@(プロフ) - 桃味チョコレートさん» 了解です〜〜！！コメントありがとうございます！ (2018年3月9日 23時) (レス) id: 5ab7bb9a6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜音@ | 作成日時：2018年2月10日 18時
