【ツイステ】UNTITLED Ⅱ (ページ22)

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70話ページ22

割れているからといって別に不便でないから放っておいた。あれからマジカメも見てないな。

ちょうど説明しようとした時にアズールが帰ってきた。
タイミング良すぎじゃね、もしかして、電話聞いてて入りにくかったとか？
もしそうなら申し訳ない。

｢おかえりなさい、アズール。Aのスマホが割れているのですが、ご存知でしたか？｣

｢いきなりなんです？僕は知りませんよ。A、あなたのような方が落として割ってしまうようなミスをするとは思えませんが。｣

僕だってスマホ落とすくらいするし。
と思いながら画面の割れたスマホを見せる。

｢あぁー、これ？テスト前にフロイドとサボった時に割れちゃったんだよねぇ。
スマホ見た後にポケットに入れずに昼寝しちゃってさ。｣

あはは、バカだよねぇ。と笑いながら言うが、2人の顔は笑ってはいない。
考え込むような、そんな表情をしていた。
唯一フロイドだけが笑ってくれた。

敵だなんて言ってごめん、やっぱりあなたは僕の味方です。

心の中で綺麗な手のひら返しをしながら誰かが何か言ってくれるのを待つ。

｢あの時、ですか。｣

アズールがぽつりと呟く。
呪いで繋がっているせいで僕の心の揺れはアズールに直接伝わってしまう。
それがわかった日だったな、たしか。

｢はぁ……。カフェをオープンさせたら、新しいスマホを買いに行きましょうか。
僕達が一緒に買いに行ったという付加価値を付ければ、このおバカさんも落としたり忘れたりすることも無くなるでしょう。｣

少し呆れたように笑ってアズールはそう言った。
バカってなんだよ。
でも、そのおかげでちょっと重苦しく感じた空気は嘘のようになくなった。

｢バカってなんだよ、僕は元々ものを大切にする主義ですけどー？

あ、そういえばその時にフロイドと写真撮ってマジカメに上げたんだよね。｣

そう言ってマジカメを見せる。

｢ねぇA、オレまだその写真もらってないんだけど。｣

｢あー！じゃあ今送る！｣

フロイドに指摘され、忘れてた、と言って笑えば早くちょーだいと急かされる。

その後はアズールとジェイドがずるいと騒ぎだし、フロイドが煽る。

やっぱり3人のことが大好きだなぁ、大事だなぁと思いながら手元のマジカメを見る。

｢ひっ……！｣

手から滑り落ちたスマホがガシャンと大きな音を立ててしまい、3人がこちらを向く。

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長い長い１日になりそう。