64話 ページ16
不満を顔いっぱいに出して言う。
一緒にいればたとえ不意打ちでも対処出来るかもしれない。
あとは、先に手を出してくれば袋叩きにすればいい。
｢お前達は心配性ですね……。｣
呆れたように笑うアズール。
仕方なくね？
｢良いでしょう。
テストが返却され次第、寮長の部屋に行きます。その後そのまま学園長のところに行きますよ。｣
テスト返却が待ち遠しい。
僕たちの晴れ舞台。華々しく飾ってやるさ。
テスト後の数日の休み。
僕達4人はオクタヴィネル寮の模擬戦場に来ている。
ジェイドとフロイドにユニーク魔法を習っているのだ。
フロイドの魔法は｢
効果も聞き、便利な魔法だなぁと驚く。
というか、商売をするのにこの2人の魔法は強すぎないか？運命のパートナーなのか？
先程まで部屋でジェイドの魔法を教わっていた。彼の魔法は1回しかかけられないらしく、僕達には使いたくないとのことで見せては貰っていない。
その代わり詳しい効果などを教えて貰った。
そして今、なぜ外に出てここにいるか。
フロイドの魔法を習得するためだ。
魔法が当たらなくなる魔法。僕が攻撃してフロイドがユニーク魔法を使う。
それを見せてもらうためだ。
｢A〜。いつでもいいよぉ。｣
向こう側でフロイドが手を振っている。
随分余裕そうだ。見せてもらうだけとはいえ、一応は模擬戦だ。
フロイドにも攻撃してもらうつもりである。
離れたところにアズールとジェイド。
アズールは少し心配そうにしている。ジェイドは……、楽しんでるな、あれ。
｢よし。フロイドー！いくよぉー！｣
そう言って魔法を唱える。
属性は水。小さな粒状の水を作り、魔力を込めてどんどん冷やす。
軽くペンを持つ左手高くあげ、勢いよく振り振り下ろす。
水だったものがフロイドに当たる瞬間に凍る。が、ひとつも当たらない。何もしていないように見えるのに全ての弾丸が弾かれた。
軌道の逸れ方はバラバラ。
発動瞬間の魔法陣すら見えなかった。
ベースはなんだろう。ノーモーションだったように見える。
目を凝らしてよく見る為にもう一度同じ魔法を撃つ。
やはりノーモーションだ。
だが、微かに動きがある。
もう少し良く見ようと思った時、自分の魔法が跳ね返ってきて焦る。
｢わぁああ！？｣
咄嗟に避けるが、少し頬を切ってしまう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
特訓中。
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作者名：黒梦 | 作成日時：2020年10月7日 0時
