29話 ページ30
｢後悔しているんですか？｣
今まで黙っていたアズールが口を開く。
｢彼と決別したことを。｣
俯いていて表情は読めない。
だが、その声は心無しか震えているように聞こえた。
｢まさか。
もしも、僕があいつと仲良しだったら……｣
｢僕達とは友達にはならなかった。ですか？｣
ジェイドが笑う。
被せられた言葉。
それは、今僕が言おうとしたことと同じ言葉だった。
｢そうだね。だから後悔はしていない。
あの日、あいつの事が嫌いだったから僕はアズールに出会った。｣
真っ直ぐにアズールを見る。まだこちらを見てくれはしない。
｢あれのおかげで僕はアズールと友達になれたんだ。嫌いでよかったと思うよ。
それに、アズールと友達になったからジェイドやフロイドとも友達になれた。
何も心配いらないよ。僕は家族より3人が大事だ。｣
そう言いながらアズールに近寄る。
｢だから顔を上げてよ。｣
｢あ、あな、あなたって人は……！｣
無理やりにでも顔を上げさせようと顎を掴み上げさせる。
目は真っ赤に充血し、泣いていた。
｢なに、泣いてんの？｣
｢見ないでください！｣
｢わぶっ！｣
ほぼゼロ距離でスミを吐かれた。
おかげで髪も顔も真っ黒だ。
｢あはは！！A真っ黒じゃん。アズール泣いてるし！おもしれー！｣
フロイドに笑われる。
というか、ジェイドも笑ってる。
｢うるさいですよ！
Aが不安にさせるようなこと言うのが悪いんです！｣
怒るアズール。泣き顔で怒られても怖くはない。
｢ごめんってー。許してよ。ね？｣
｢ふんっ｣
どうやら拗ねてしまったようだ。
助けを求めようにも
ツボってしまったのか笑い転げるフロイドと
絶対助けてくれないジェイドしかいない。
というか、僕としてはこの墨をどうにかしたい。
さすがにずっと真っ黒なのは頂けない。
どうにかアズールの機嫌を取り、当初の予定通り陸の勉強をした。
｢そういえば、あいつが行ったってことはオレ達の迎えもそろそろなんじゃねーの？｣
帰り際にフロイドが疑問を投げかける。
｢そうですね、そろそろのはずですが。｣
｢当分海とはお別れかぁ。｣
ジェイドが答え、僕が呟く。
｢なんですA。やっぱり寂しいのですか？｣
アズールが僕の顔を覗き込む。
｢んー、海は好きだからね。故郷だし。
それに、みんなとの思い出がいっぱいあるから。｣
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ジェイドは絶対助けてくれないと思う。
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黒梦(プロフ) - 紅紐さん» 見に来てくれてありがとうー！！！！そう言って貰えてめっちゃ嬉しい！！頑張って続きも書く！！！！ (2020年12月6日 15時) (
レス) id: 56087ab723 (このIDを非表示/違反報告)
紅紐 - 紅紐だよ！！！！！好き！！！ねぇこれ好き！！！これから続編まで一気に見てくる！！！！！ (2020年11月29日 7時) (レス) id: ae3c69c326 (このIDを非表示/違反報告)
黒梦(プロフ) - ウツボだよ☆さん» あわわわ死なないで〜！ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 61a2d14e4f (このIDを非表示/違反報告)
ウツボだよ☆ - グハァｯｯｯこの作品僕好きデスゥッッッﾁｰｰｰｰﾝ(死亡) (2020年10月17日 19時) (レス) id: 5d8b13751b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒梦 | 作成日時：2020年10月4日 2時
