15話 ページ16
｢A！｣
ミヘイルが追いかけてくる。
珍しい。話をするのはいつぶりだろう。
｢お母さん達を悲しませるようなことをするな。
だいたい、お前は学校でもあまりいい噂は聞かない。友達から大切なものを奪っているんだろう？みんな困っているんだ。返しなさい。｣
｢はぁ？嫌だよ。ミヘイルには関係ない。
僕のことが嫌いなら放っておけばいいだろ！｣
｢ぼくはお前が心配なんだよ。A。
ぼくたちは双子の兄弟じゃないか。｣
今まで散々無視してきたくせに今更なんだって言うんだ。
そうやって僕に説教垂れるこいつが心底嫌いだと思った。
｢うるさいな。返せって言われても困るんだよ。
あいつらは僕らから欲しいものを貰った見返りにものを差し出してくるだけだ。奪ってるんじゃない。｣
｢……。お前が、そうやって目立って悪いことをするから、ぼくの評価が落ちるんだよ！｣
｢良かったね、次の学校は違う学校だから比べられることも無いじゃん。｣
そういった僕を睨むミヘイル。
こいつも僕と同じ、比べられるのが嫌だったんだ。はは、やっぱり双子は似るんだろうか。
ジェイドとフロイドを思い出しながらそんなことを思っていたら
突然頬に痛みが走った。
｢Aなんか昔から大嫌いだったよ。
みんなに迷惑をかけるお前がいるせいで
ぼくが怒られるんだ！｣
ミヘイルに叩かれたのだと冷静に考えていた。
そんな僕をお構いなしに目の前の兄弟は叫ぶ。
｢もうお前なんか兄弟でもなんでもない！｣
絶縁の言葉。別に、なんとも思わなかった。
｢はは、そーかよ。
じゃあ、僕と契約をしようか。ミヘイル。｣
僕は笑う。
｢僕と縁を切る。僕はお前にもう近づかない。だからその代わりお前は僕に何してくれる？｣
｢……、お前のする事に何も言わない。好きにすればいい。
それでいいだろ。｣
ミヘイルから離れてくれるなんて嬉しくて仕方がない。
でもそれだけじゃつまらない。
｢それじゃあ取引の意味が無い。僕に構われたくないならお前の大事な何かを1つ寄越せ。｣
僕が欲しいのは1つ。
彼の持つ治癒魔法だ。ユニーク魔法でなくてもいい。こいつの特技をひとつ奪ってやりたかった。
口を開かないミヘイル。
言わないと分からないのだろうか。
｢お前の、その治癒魔法を寄越せ。ユニーク魔法じゃなくてもいい。得意な魔法だろ？
僕の使えない魔法だ。｣
黙ったままのミヘイルが静かに口を開いた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
次回｢ユニーク魔法｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒梦(プロフ) - 紅紐さん» 見に来てくれてありがとうー！！！！そう言って貰えてめっちゃ嬉しい！！頑張って続きも書く！！！！ (2020年12月6日 15時) (
レス) id: 56087ab723 (このIDを非表示/違反報告)
紅紐 - 紅紐だよ！！！！！好き！！！ねぇこれ好き！！！これから続編まで一気に見てくる！！！！！ (2020年11月29日 7時) (レス) id: ae3c69c326 (このIDを非表示/違反報告)
黒梦(プロフ) - ウツボだよ☆さん» あわわわ死なないで〜！ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！ (2020年10月18日 23時) (レス) id: 61a2d14e4f (このIDを非表示/違反報告)
ウツボだよ☆ - グハァｯｯｯこの作品僕好きデスゥッッッﾁｰｰｰｰﾝ(死亡) (2020年10月17日 19時) (レス) id: 5d8b13751b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒梦 | 作成日時：2020年10月4日 2時
