生き様 ページ26
カラ…
「…寝ているのか」
面会時間もまもなく終わる頃の時間、煉獄はAの病室に足を運んだ。連日のお見舞いや傷を体が治癒しているのか少し負担をかけたようで熱を出していたAはスヤスヤと眠っていた
「…生きている」
煉獄はAの口元に手を当てると呼吸を確認する
「君が目を瞑っていると、嫌でもあの時の光景を思い出す」
猗窩座に殺された時、実の母親に殺されかけた時
固く目を瞑り息をしていなかった
今でも怖くて仕方ない
「一緒にいる資格なんて」
『資格とか必要なんかよ』
「!」
うっすらと目を開けているA
「起きて…熱がある、まだ寝てなくては」
『お前が甘っちょろいこと言ってっから起きただろ』
「っ…すまない」
『お前が謝ることなんかひとつもない。昔死んだのも俺のせいだし、今回も俺の問題だった』
「俺は、君を傷つけた」
『あー…』
首を絞めたことを悔やんでいるのか
それとも他にも
『確かに苦しかった』
「う”…む」
『けどその分お前も苦しんだんだろ?』
「…え」
Aはゆっくりと起き上がり煉獄の手を包む
『長い間、忘れてた。ごめん、お前達がこんなに必死に俺なんかの為に考えてくれてたのに、気づきもしなかったよ
ありがとう』
「っ…何故、そんな、言葉を俺にかけるんだ。」
『年は離れてるが…兄弟だからな』
煉獄はAを強く抱き締めた。痛いぐらいだがそんなこと気にもしなかった
『杏寿郎、お前が嫌じゃなかったら。1つお願いしてもいいか?』
「なんだ!!なんでも言ってくれ!」
『声をデカいって…
あのさ』
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時雨 - 完結おめでとうございます。そして…素敵な作品を作って下さったこと心より感謝申し上げます。本当にありがとう! (2021年8月21日 22時) (レス) id: 3067d420d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テララ | 作成日時:2021年7月1日 2時