雨の生き様 【煉獄杏寿郎】

甘味 ページ24

「よぉ、いい面してんじゃねぇか」

『言い訳あるか、茶が染みてたまらん。実弥』

「はっ、ざまぁねぇな」


隣で不死川はおはぎを頬張りながらケタケタと馬鹿にするように笑った。理由を聞かないのは彼なりの優しさだ



『そういえばお前の弟が最終選別で勝ち残ったと聞いたぞ』

「…今日はよく喋るなぁ」

『そうだろうか…』

「俺に弟は居ねぇよ」

『…そうだったな。すまない、忘れてくれ』

「おはぎ奢りで許してやらぁ」

『ははっ、いくらでもくれてやる』


少し苦い抹茶が体を温めてくれる


『ありがとな』

「なんの感謝だ気持ちわりぃ」

『俺なんかとってことだ…』

「てめぇはてめぇだろうが阿呆」





今日は風が気持ちいい





『やはり、昼下がりは眠くなる』

「ひでぇ隅つけてるぜ」

『いつもの事だろ』

「あぁ、いつもの事だ」


ふっと笑い湯のみに目を落とすと茶柱が立っていた



『なぁ、実弥』

「あ？」


『鬼のいない世界…絶対に掴み取ろうな』

「…」


『昼も夜も安心して腹いっぱい飯が食えて、昼寝ができて…買い物もいいなぁ…愛しい奴と笑える日常を…作ろう』

「…遺言か」


あぁ、




『俺の遺言だ』

合同任務→←愛しき弟よ

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