雨の生き様 【煉獄杏寿郎】

無限列車 ページ45

ｶﾞｷﾝｯ！！！




「かっ！？」



母上

俺のほうこそ

貴方のような人に産んでもらえて光栄だった




あなたの言葉があったから


頑張ることが出来たんだ





「(片腕しかないと言うのにこの力！！)」


『あ”ぁぁああ！！！』




ズッ





もう少しだ





「くそっ！」


猗窩座の拳が顔目掛けて襲いかかってくる




ガシッ




「うぉぉぉぉぉぉ！！」


煉獄がその拳を掴みAの刀を握っている方の手を握ると一緒に力を込め首を斬ろうとする



「！！」



夜明けが近づく


「(しまった！夜明けが近い！早く殺してこの場をさらねば！)」



『ぐぅう！！』


腹に力を込めると猗窩座の腕は抜けなかった


「(腕が抜けん！)」


『「逃がさない！！」』

「(夜が開ける！ここには陽光が差す！逃げなければ…逃げなければ…)


オォォオオオオオ！！」


思わず耳を塞ぎたくなるほどの雄叫び


『(絶対に…逃がさない！

お前の頸を斬り落とすまでは！！)』

「あぁぁああ！！」


「退けぇぇえ！！」



『ぐっっあぁあ！！』


もう少しだ



『杏寿郎！！！』

「A！！」


久しぶりだな、名前を呼ばれたのは




もう少しなんだ







「伊之助動け！煉獄さんとAさんのために！！」


ハッと炭治郎の声で我に返った伊之助は刀を握りしめ走り出す



「獣の呼吸…壱ノ牙、穿ち抜き」



ズンッ



「ぐっ！？」



気がつけば腕を無理矢理引き抜き刀を折った猗窩座は宙に逃げるとすぐさま近くの森の中へと走り去っていく

煉獄と伊之助は吹き飛ばされ、Aは体をおり静かに膝を着き座り込む



「(早く陽光の影になる所へっ)」




ゴオッ




「逃げるなぁ！！

逃げるな卑怯者！！



いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦っているんだ！生身の人間がだ！




傷だって簡単には塞がらない！




失った手足が戻ることも無い！逃げるな卑怯者！！

お前なんかより
煉獄さんとAさんの方がずっと凄いんだ！強いんだ！


二人は負けてない！誰も死なせなかった！戦い抜いた！守り抜いた！




お前の負けだ！Aさん達の…勝ちだ！！


うぁぁああ！！ああああ！！！」








『炭治郎…』

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