雨の生き様 【煉獄杏寿郎】

無限列車 ページ37

私は笑顔が得意だ

色んな人に愛想を振りまいていれば周りもニコニコしてくれる


私を愛してくれる


だからそんな夢を見て、もっともっと…




「なに…ここ」

これが、あの鬼狩りの無意識領域？


「雨が降っている…お天気雨が」


晴れているようで雨が降っている


「そんなことより核を…こいつの核を壊さないと」



走っても走っても、見つからない…一体どこに


「きゃっ！」


バシャッ


「いっ…」



なんで私…濡れて…転んでまで、こんなことをしてるんだろうか


「うぅ…ひっく…」

何もかもがもう嫌だ



辛い



助けて





【大丈夫？】

「えっ…なっ！？」


なんでこいつが…無意識領域にいんのよ！！？

【膝、血が出てるよ？】

「え、あっ」


【泣いてるの？】

「ちが！そんなんじゃ！」


裾でゴシゴシと強く手を掴まれる




【そんなにやったら痛いよ、おいで】


ニコリと笑うその人は優しくて暖かかった


【これだろ？】

「な…なんで」


おぶられながらその背中の広さと落ち着きを感じながら暫くすると目の前に精神の核が存在した


【だって、探してたから】

「わたしはっこれを！壊そうと…！！」


【泣かないでよ…笑って】




こんなに優しい笑顔を見た事がなかった


心にゆっくりと炎を注がれるような



「ごめんなさい、ごめんなさい」

初めて心の底から



【謝らないで…笑って】


「っ！うううっ！」




笑えたんだ

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