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部屋に入ると先程より濃い業障の気配と薬品の香り
寝床を見るとAが苦しそうにそこにいた
目を固く瞑り汗をかきながら息を吸おうと必死に口呼吸をしていた
「これは先程お前達に依頼をした清心をすり潰し薬を調合したものだ」
鍾離の手には黒い小さな玉がある
「うげぇ…苦そう」
「これを呑ませると強制的に業障が体内から放出する。
しかし前回も言ったように全ての業障を抜き取ることは出来ないあくまで一時的にだ」
「……我は何を」
「お前にはAに仙力を流し込んでもらいたい
俺では仙力ではなく神力になってしまう為逆効果になりかねない」
「層岩巨淵みたいなことにはならないよなっ誰かが犠牲になるなんてことは…」
「一気に注ぐことは無い徐々にゆっくりと。急に多くの力を注ぐとそれでも逆効果になってしまう。慎重にやらねば今の枯渇状態のAの体はそのまま朽ちるだろう」
「ひぇ……」
「輸血みたいなものか……」
「然しそれには集中力と意識を保ちながら淡々と続ける精神力が必要だ。それは必ずしもAが助かるとも言いきれない
それでもやるか?」
「勿論です」
黄金の瞳が鍾離の瞳と合う
魈の心は決まっていた。その答えに鍾離は優しく微笑む
「お前ならそう言うと思っていた」
「おいらは!オイラには何か出来ることないか!?」
「ふむ……薬を飲ませ業障を強制的に排出するには壮絶な苦しみが待っている。自害をしないように口にタオルは入れ込むが身体を抑える必要がある」
「や……やる……オイラやるから」
「あぁ、業障が外へと出たら俺がそれらをかき集めてAの呪いと共に封じよう。今のAにならこの力が通じるだろう」
「先生、俺も出来る限り力を貸すから」
「ありがとう」
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弓月有無%(プロフ) - 初コメ失礼致します!!題名に惹かれ拝見させて頂いたのですが思っていたよりもずっと良い物語でした。言い回しなど凄く雰囲気に合ってて迚もささりました。続編も続けて読ませて頂きます! (2月23日 13時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
雪影(プロフ) - 初コメ失礼します!素敵な小説すぎて読み始めたら最新話まで読み終わってしまいました!(汗)文字を書くというのは非常に大変だし、書き回しだったり、この先のストーリーを考えるのも難しいと思いますが、応援しております!!焦らずゆっくりと頑張ってください!! (12月15日 19時) (レス) id: f13a0934b6 (このIDを非表示/違反報告)
チランジア(プロフ) - 初コメ失礼します…本当に毎日貴方様の更新で生きながらえてます😭🙏お体に気をつけながら頑張ってください💖💖 (12月9日 2時) (レス) id: 7d433c448b (このIDを非表示/違反報告)
書籍姫(プロフ) - わぁぁぁ…心がくるし…ィ(遺言) めちゃくちゃ書き方とか、言い回しとか好きです。魈くん推しなので余計にありがたい…ほんと、応援させて頂きます!! (12月5日 20時) (レス) @page13 id: e3ea7725f8 (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - 初コメ失礼します!とても自分好みの小説でして…すごく嬉しいです🥹✨続き楽しみにしていますっ! (12月5日 1時) (レス) @page13 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テララ | 作成日時:2023年11月29日 21時