22 ページ24
ピチョンッ
鼻の頭に水滴が落ちる。どうやらあの後気を失ったらしく気がつけば洞窟の中にいた
『いっ……っ』
腹の傷は塞がっておらずただそこに転がされていた体は冷え切り痛みが走る
そして記憶が蘇った
『そうだ……私。あの時』
【ここは我の洞天】
『！』
声がした方向にすぐさま槍を構える
『何者だ』
【立場を弁えるが良い、我の前に頭を垂れよ】
『誰がそのような事』
【金鵬】
『がはっ！？』
上から体重が掛かり地面にそのまま伏せる形で押さえつけられた
『きん…ほ…なんで』
その瞳には輝きは無くただ無表情でこちらを見ている
首に突きつけられた槍は皮膚を少し破ったのか首から血が出た
『貴様…金鵬に何をした』
【簡単な事だ、真名を使ったのだ】
『！！』
真の名
自らの真の名前を知られれば束縛されてしまう。
夜叉にとってまさに命取りな為その名を口にすることは無かった
『何故…』
【我は
『巫山戯るな、このような事許されるわけがないっ直ぐに金鵬を解放しろ！！』
背中の痛みが増す
しかし鵬雪は口を止めない
『この様な事をして何になるっ』
【美しい夜叉が我の手の上で踊り狂うザマを見るのがなんとも心地の良い事この上ない…お前もその1人となれ】
『断る』
【この状況でか？】
既に金鵬の体には業障が纏わり付いていた。
どれ程残虐な行為を無理強いさせられてきたのだろう
『っ…貴様の望みはなんだ』
【1つ美しい夜叉をこの手に収めても良いが……そうだな
貴様も我の下僕となれ】
『…そんなことだろうと思った』
恐らく金鵬程の仙力の名前を縛り付けたため己の力を使うことが出来ずに私の口からその名前を吐かせる気だ
【その代わりこやつに休息を与える、貴様が我の言う通りに動けばな】
『っ』
【こやつは既に村一つを皆殺しにしておる。女子供関係なく。さぞ体が蝕むような痛みが襲っておるだろう】
魔人は嬉しそうに語る
『っ…畜生が』
【さぁ、白き夜叉よ。我の元に着くか？それともこやつに殺されるか】
先程からずっと傷が痛い
身体中の骨が軋む
ちらりと目線だけを金鵬に向ける
『(そんな目をするな金鵬)』
【答えよ】
『……わかった。だから金鵬を休ませてくれ…頼む』
【良い返事だ。聞かせろお前の真名を】
『っ……』
【さぁ！！】
『わたしの……真名は……_________』
縛
地獄が始まった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 449人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
弓月有無％(プロフ) - 初コメ失礼致します！！題名に惹かれ拝見させて頂いたのですが思っていたよりもずっと良い物語でした。言い回しなど凄く雰囲気に合ってて迚もささりました。続編も続けて読ませて頂きます！ (2月23日 13時) (
レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
雪影(プロフ) - 初コメ失礼します！素敵な小説すぎて読み始めたら最新話まで読み終わってしまいました！（汗）文字を書くというのは非常に大変だし、書き回しだったり、この先のストーリーを考えるのも難しいと思いますが、応援しております！！焦らずゆっくりと頑張ってください！！ (12月15日 19時) (レス) id: f13a0934b6 (このIDを非表示/違反報告)
チランジア(プロフ) - 初コメ失礼します…本当に毎日貴方様の更新で生きながらえてます😭🙏お体に気をつけながら頑張ってください💖💖 (12月9日 2時) (レス) id: 7d433c448b (このIDを非表示/違反報告)
書籍姫(プロフ) - わぁぁぁ…心がくるし…ィ(遺言) めちゃくちゃ書き方とか、言い回しとか好きです。魈くん推しなので余計にありがたい…ほんと、応援させて頂きます！！ (12月5日 20時) (レス) @page13 id: e3ea7725f8 (このIDを非表示/違反報告)
みるくここあ(プロフ) - 初コメ失礼します！とても自分好みの小説でして…すごく嬉しいです🥹✨続き楽しみにしていますっ！ (12月5日 1時) (レス) @page13 id: 4db17488dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：テララ | 作成日時：2023年11月29日 21時
