爆豪勝己の双子の妹は無個性だった話Part4 (ページ4)

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THE MOVIE～2人の英雄～ページ4

世界平和のため、親友の為。

間違ったやり方でも仕方ないと自分に言い訳した。

「今のあんたにできる事は、俺の下でその装置を量産する事ぐらいだ」

ウォルムラムは愉快そうに笑いながらデヴィットの襟元を掴みあげると、銃のグリップで首の後ろを殴り気絶させた。そしてメガネの男に指示する

「返して」

ウォルムラムが振り返るとメリッサが這いずりながら叫んだ

「パパを…友達を…返して！」

『っ！』

意識が混濁する中でしっかりと聞こえた悲痛の叫び

「そうだな、博士とその友達の未練は…断ち切っておかないとなぁ」

メリッサへと銃口を向ける

『(ふざけんな)』

「や”め”ろ”お”ォ～！！」

『(やめろ！！)』

トリガーを引こうとした時、デクが渾身の力で鉄の拘束を外しながら吠える。そのまま壁を土台にジャンプし、ウォルムラムへ拳を振るう

ウォルムラムは鉄板の床に触れるとデクの前に鉄壁となってそそり立つ。

『(吹き飛べ)』

ガンッ！！と拘束していた鉄を圧で吹き飛ばしそのままそれを中に浮かせるとデクを阻んでいた鉄壁へと吹き飛ばす。そのままデクの拳はめり込み倒れ込んだままメリッサを見る。

「(メリッサさん！博士たちは助けます！だから、みんなを！)」

「…！」

その思いを込めた強い視線がメリッサに伝わる

『ヒーロー舐めんな』

ボンッと更に重力操作を強化し壁を完全に粉々にするとウォルムラムを睨みつける

メリッサは立ち上がる、今、自分にできる限りのことをしなければ。

涙を振り切りもたつく足で懸命に入口へと駆け出す。

「追え！逃がすな！」

「はい！」

メガネの男は慌ててメリッサを追う。

邪魔はさせないとメガネの男の前にデクが立ちはだかる。しかし次々と高い鉄壁が出現した

『くそっ』

見上げたデクは、それならと壁から壁へとジャンプし急降下して保管室から駆け出す

「ここは行かせない」

「調子に乗るなぁ！！」

ウォルムラムの怒号とともに天井から伸びた鉄柱が次々と襲いかかる

「ぐっ！！」

必死に腕で受け止めるがあまりの威力にデクの顔が歪む、それを見て瞬時にAが駆け出す

『デク！！』

「てめぇは寝てな」

２本の鉄柱が挟み込むようにAに襲いかかり気づいた時には遅かった

「Aちゃん！！」

『が…』

意識が薄れ最後に見たのはこちらに手を伸ばすデクと

笑うウォルムラムの姿だった