爆豪勝己の双子の妹は無個性だった話Part4 (ページ22)

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どうすればページ22

『やっぱり』

「わ、Aちゃん！」

カレーの乗ったお皿を持ちながら茂みに消えるデクをみて後を着いてきたA。

崖の近くに洸汰君専用の秘密基地がありまんまと、追い返されたらしくデクの顔は暗かった

『気になるんだ、あの子の事』

「なんか…ほっとけなくて」

『お節介だよね、ズケズケと足を踏み出しちゃうし』

「う…」

意外とハッキリと言われグサリと刺さる

『でもそれば緑谷の長所でもあるんじゃない？』

「え…？」

『私達はヒーローを目指してるけど、彼からしたら気持ち悪いし許せないんだろうね。

このヒーロー社会も現実も、全部自分から大切なもの奪っちゃうんだもん』

「…Aちゃん、君は」

『あ、今そういうの聞いちゃう？』

「ぁ…」

ダメだ、彼女から切り出してくれるまで聞くのはやめようと決めていたじゃないか。

けど、洸汰くんとAちゃんって…似てるとこあるよな

「Aちゃんなら…洸汰くんを救える…？」

『無理だと思う』

「そんなハッキリと！？」

『それは私じゃないよ、緑谷だ』

「ぼ…え？…僕？」

『緑谷なら…デクなら…あの子のヒーローになれるよ。私には無理』

下を向き顔が見えない、今どんな顔をしているのは誰にも知ることは出来なかった

「なんで…」

『わたしも、同じ事を思ったから、でもそれを解決させられる言葉が自分の中で見つけられなかった。』

歩いていた足を止めAはデクに向かい合う
真っ赤な瞳が僕を映す

最近の君は僕の事を緑谷、ではなく昔みたいにデクと言ってくれる。けどそれは戦闘時が多く無意識なのだろう。

それでも少し浮かれてた、また昔みたいに
幼馴染に戻れるんじゃないかって

その甘さが今になって出てきていた

彼女が…背負うものは相当息苦しく、辛く

『さぁてと、そろそろ帰らないと怒られるよ』

声をかけることが僕にはできなかった

後にこれを僕は死ぬほど後悔することになる

どうすれば彼女を救うことが出来たのか

涙を止められたのか

分からなかった