爆豪勝己の双子の妹は無個性だった話Part4 (ページ31)

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訳をページ31

『はぁ…はぁ、ゲホッ』

吐血したのが分かる、少し喉をやられたんだ

「見せて、しっかり」

デクのボロボロの手が両頬を包み込む
自分より酷い怪我をしているくせに人の心配ばかりする

「目見えてる？」

『ん、へいき…それより少しでも怪我を治療しよう』

「でも…」

『いいから！』

少し強い口調で言うとデクは渋々腕と足を出す。
敵連合の事だこのままで終わるはずがない、そもそも目的が達成されてない今、いつまた襲われるか分からない

『デク、私は勝己の所に行ってくる』

「そんな、危ない！ましてやその怪我で」

『他のみんなのことも心配だし、治癒個性を持ってるのは私だけだ、デクは洸汰くんを施設に送って』

「でも、おまえ！」

洸汰は涙目でAに声を上げる、そんな涙がこぼれそうな顔を優しく撫でる

『またね』

「え…」

『よろしく』

「あ！」

「Aちゃん！」

Aは振り返ることなく崖の下へと落ちていく
心配そうに洸汰はずっと下を覗いていた

「またねって言ってた。だから大丈夫だよね」

「うん、Aちゃんならきっと、まずは君を施設に預けなきゃ」

「その怪我で動けるのかよ…！？」

「その為の治癒だった…足は動くよ」

甘かったんだ。

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ポタ…ポタ

『っ…くそ』

血が足りない、目眩が…

一旦地面に座り込み傷の確認をする

『ダメだ…止血しても止まらない…』

焼くしか…

「手伝ってやるよ」

不意に耳元で聞こえた声、バッと跳ね除けるとツギハギの男が気配なく立っていた

『敵連合…！』

「お前が爆豪Aか」

『…轟だ』

「身バレしてるっつーの」

ひとつ舌打ちをすると後ろに道があることに気づく

『(少しでも目を反らせれば…)』

「お前ってヒーロー目指してるんだろ？」

『？』

急な質問に疑問が生まれる

「お前のその個性、違和感かなにか感じた事ないのか？」

『なにをいって…』

「そうか、なんも知らないからか」

『ごちゃごちゃと…うっさい！！』

炎を出すとそのままツギハギ男に命中
ドロッと溶ける男にゾワッと悪寒が走る

『にせ…もの』

「真実を知りたくねぇか？」

『っ！？』

片腕で腕を背中に拘束されもう片腕は後ろから顎を持ち上げる

「教えてやるよ、お前の使命の託された訳を」

『…は』

ジュッと焦げる匂いと腹に激通

『あ”ぁぁあ！！？』

「俺たちと来い」

暗転