女性声優月島さん。4【男性声優】

168。般若回避の術 ページ19

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移動時、プライベートで外出する時はマスク･メガネ姿、仕事の時は覆面姿。

そんな生活の中、たとえ1人であろうとろくな外食なんてままならず、殆どはスーパーで買っていた。
周りに注意を払う生活を送っていると、夜は疲れて即就寝、あれほど頑張って増やした体重も元に戻りつつある。

早寝早起きというお手本のような生活は送れており、おかげで肌の調子もみるみるうちに良くなっていく。のに、




マスター「お前…辛そうだな。」




数週間前に会ったばかりのマスターから急遽呼び出しをくらい、挙句の果てにそんなことを言われる始末。




A「めっちゃ体調いいよ。ほら、肌も。」


マスター「肌はそうだけど…精神的に。」



アンティークバーのマスター
彼は私の本当の顔を知っている。




マスター「この前、福山さんが来てな、お前の様子がおかしいって聞いたんだよ。」


A「潤くん来たんだ。」


マスター「お前のことずっと見てきたけど、今回は異常だわ。」


A「異常ってなに。」


マスター「いつも変な行動すんのに、今回はいつも以上に変だっつってんの！」


A「は？」


マスター「……俺はお前の過去を知ってっから、お前が仕事で覆面レスラーになろうと別に変だとは思わねぇけど。」


A「覆面レスラーにはなってない。」



つまりマスターが言いたいのは、
私の素顔を知らない人に対して、隠す行為は妥当である。だが、顔を知っているうめに会わないというのは如何なものか。



マスター「お前何がしたいの？彼氏で、おまけに顔知ってるやつに会わない理由ってなに？」


A「…恥ずかしくなった。」


マスター「お前生まれた時から羞恥心なんて大層なもの持ってねぇだろ。」


A「あなたは私をなんだと思ってんの。」


マスター「霊長類ヒト科。んで、何が恥ずかしいんだよ。」


A「…見られるのが。」


マスター「は！？向こうは素顔知ってんだぞ？今更何言ってんだよ。」


A「そういうんじゃない…。」


マスター「じゃあなんだよ。」


A「……こんな、私らしくない事で努力してる姿を見られたくないの。」



見せた所であいつが罵ったりするなんて到底思っていない。だけど、見せることは私の変なプライドが許さなかった。
それに、



A「体重落ちたなんて知ったら……。」



般若と化すだろう………。



マスター「かんきん…ちょうきょう……。」


A「やめていわないで。」



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