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こくりと頷くと、智司さんはその場を立ち去り、暫くして水の入ったコップを持ってきてくれた
em「起き上がれますか？」
ふるふると小さく首を振ると、智司さんは暫く戸惑った後コップを傍に置き、片方の手を私の背中に、もう片方の手を首の後ろへと回し、グッと引き起こしてくれた…のだが、距離がより近くなり、それによりふわりと彼のシャツに染み付いたタバコとコーヒーの匂いが鼻をくすぐる
まるで抱きしめられてるような体勢に体が強ばる
em「どうぞ、お水です」
そう言って手渡された水を受け取り一口、二口と喉に流し込む
まだ暫くは治まりそうにないだろう
仕事は午前休を取らせてもらおう
まだ朝早い時間のため、上司に電話を入れても出なさそうだ
アプリでメッセージを送っておこう
em「あ、そうだAさん、キッチンをお借りしてもいいですか？」
「構いませんけど、何をされるんですか？」
em「普通の朝食は胃に来るでしょうし、Aさんは動けないでしょうし、お粥を作ろうかと思いまして」
「いえいえ、全然お構いなく…！」
em「いえ、私がしたいだけですので」
そう言うので大人しく甘えさせて貰うことにした
暫くして手にお粥を持って戻ってきた智司さんは床に座り、スプーンで1口分を掬い、さも当然かのように私の口元に持ってきた
「い、いやいや！風邪じゃないので流石に1人で食べれます…！」
em「！そ、そうですよね！すみません！」
「……でも、ありがとうございます
何だか智司さんって優しいから他の人にもこういう事して彼女さん困らせてそうですよね」
そう、きっとこんな素敵な人には彼女がいるのだろう
智司さんが私に優しくしてくれるのは、この人の人柄だ
……なんか嫌だ…モヤモヤするし、胸辺りがきゅーっと締め付けられるように苦しい
em「…その、お恥ずかしながら、恋人はいないんです」
「いや、嘘つかないでくださいよ…！」
そんなはずない
こんな素敵な人なのに、女性が放っておく訳が無い
em「ほんまですって！今まで一度も彼女がいた事ないんですよね！ハハハハ…！」
自虐的な笑い方をする智司さん
一度も付き合ったことがない、そう聞いて胸が締め付けがなくなったように軽くなった
最近、自分の感情がおかしい
急に苦しくなったり、泣きそうになったり…
何故か分からないけど、そこには智司さんがいつも関係してる
今だって、智司さんに彼女がいないと分かった瞬間、何故か嬉しくてほっとした
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黒蜜(プロフ) - ReiHetaさん» お待たせ致しました！リクエストのお話が出来たのでお知らせ致します！ (2021年4月23日 10時) (
レス) id: 63c798435c (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 黒蜜さん» ありがとうございます。楽しみに待ちますね (2021年2月26日 15時) (レス) id: bd92c2b39c (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜(プロフ) - ReiHetaさん» リクエストありがとうございます！本編とごちゃ混ぜになって、話が分からなくなるのが嫌なので、番外編として本編とは別に書かせて頂きますね！ (2021年2月26日 15時) (レス) id: 63c798435c (このIDを非表示/違反報告)
ReiHeta(プロフ) - 黒蜜さん» ありがとうございます。それではemさんが夢主ちゃんの誕生日にプレゼントをあげる話でお願いします (2021年2月26日 15時) (レス) id: bd92c2b39c (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜(プロフ) - ReiHetaさん» 初めまして！読んでいただき、ありがとうございます！emさん推しの方に読んでいただき、とても嬉しいです！リクエスト受付中です！ぜひお願い致します！ (2021年2月26日 15時) (レス) id: 63c798435c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒蜜 | 作成日時：2019年7月2日 3時
