金髪狼少女と個性豊かな幹部たち【wrwrd!】 (ページ6)

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【5】黄緑色の本心ページ6

『…もう朝？』

僕は上半身を起こし辺りを見回す。

少しだけやりたいことがあった。

ベットから飛び出し立ったまま
自分の狼の姿を脳内で想像する。

パッと目を開けたときには
体は人間の体でなく体中が白い毛に
覆われていた。

『…姿を変えるのはできた…。今からでも抜け出せる…』

僕は狼の姿のまま
部屋にある窓に向かい窓を開けようとしたが
今は狼だ。

開けづらく苦戦する。

そんな時に部屋の扉が開いた。

そこにいたのは黄緑色のキャラパーカーに
体が包まれ瞳までは見えない男性。

??｢んぅ…おーい。Aちゃーん。朝ご飯の時間やでー。起きろ…｣

『あ…』

バッチリとその男性と目が合ってしまった。

その男性は僕を見るなり
目をぱっちりと開け驚きを隠せないようだった

ふと、窓の方に目をやるが
鍵も開けられていないし逃げれなさそうだった

その男性は無言で僕に向かって
歩いてきた。

『ひぅ…っ』

僕は体を出来る限り小さくした。

体が震え、呼吸もどんどん荒くなる。
パチと目を開けると人間の姿になっていた。

人間の姿に戻ったのかと思いきや
白い尻尾が視界に入った。

『(っ…!?恐怖に負けて半分半分の姿になっちゃった!?きっと見られているこの姿…出ていけって言われるっ…殴られる…蹴られる)』

そう思い、下を俯いたまま
唇をかむ締め痛みに耐えようとしたが
一向に痛みは来なかった。

きたのは頭に暖かい温度。

??｢お前…半分狼だったんやな。怖がんなくてええで。俺はお前が考えているような事は絶対せぇへんから｣

その男性は僕の頭を撫でながら
微笑んでいた。

チラッと見えた瞳は綺麗な
黄緑色の瞳で僕の心を落ち着かせてくれた。

『…ぼ、僕のこと殴ったり…蹴ったりしない？』

震えた声で男性に問う。

??｢そんなことせぇへんってば。そんな奴、俺がぶっ殺したるわ｣

『狼なのに嫌わない？怖くない…の？』

??｢大丈夫やって。俺、逆に狼好きやし｣

『!!』

狼が好き？そんな人、いたんだ。

狼はニンゲンみんなに嫌われる存在。
違う容姿、ニンゲンは食べないのに
喰うとか言っていて。

ニンゲンに嫌われていた。

のに－－

今目の前にいる人は
狼を好きだと言ってくれた。

この人のことは一番信用できる、かも
しれない。

??｢いやーしかし｣

『？』

??｢尻尾と耳、もふもふで可愛いなぁ～!｣

『くすぐったいからやめてください！』

また一人、信用できるかも
しれない人ができた。