金髪狼少女と個性豊かな幹部たち【wrwrd!】 (ページ40)

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【39】戦争開始の音ページ40

その日の外の天気は
雨だった。

今は十月。肌寒い季節もあり
もっと寒く感じる。

ウウウウウゥ…

そのサイレンのような音で目が覚める。

僕はベットの上で戸惑っていた。
今までに聞いたことのない音、耳に痛い音。

狼は足が速く耳も良い
普通の人間よりも聴覚が良いため
耳がとても痛い。

両手で耳を覆っていると

zm｢A!!｣

『…ゾ…ム？』

そう言うとゾムは僕の元に駆け寄ってきて
僕の体を軽く持ち上げお姫様抱っこをしてきた

僕の体を抱きかかえながら長い廊下を
走る。今どこなのかも分からない。

『ゾム、この音は？』

zm｢Aは知らんかったか。これは戦争が始まる前になる音。合図みたいなもんや。これからα(アルファ)国と戦争なんや｣

確かα国は今までの戦争に
負けたことのない強い国。

でも戦い方が少し変わってるとか
ニンゲンを支配するかのように扱う
総統がいるとか。

そう思っているうちに
着いたのは情報管理室。

その部屋の前には兵士さんのような
人たちがいた。

中にはロボロさんがパソコンと
向き合っていた。

でもこちらに気付いたようで
こっちを見ていた。

zm｢ロボロ、Aの事頼むで｣

僕のことをゆっくりと下ろしてくれる。
ロボロは僕の頭をポンッと撫でる。

rb｢もちろんや！ゾムもきぃつけてな｣

zm｢おん！じゃあな！｣

rb｢死ぬなよ｣

ロボロはゾムに向かって
普段とは少し低い声で言った。

ゾムは口角を少しだけ
コクンと頷いていた。

そのまま凄い速さで
行ってしまった。

rb｢急に戦争が始まってびっくりやと思うけど大丈夫や。俺がAの事、守ったる｣

『あ、ありがとう』

そう言うとロボロはニコッと微笑んで
またパソコンと向き合った。

凄い速さでパソコンを打ち
次々とインカム？に話す

rb｢コネさん、シャオロンの所行けるか？少しキツそうやねん。ん、おけ。ありがとう｣

rb｢ショッピくん、そこを左に曲がったら敵がいるから警戒してくれ｣

思わず感激してしまう。

パソコンの画面をよく見てみると
日常国の人たちの姿が見えた。

『あれ？ぺいんとさん？』

rb｢今回は我々国と日常国が協力して戦ってるんや。相手はα国やけど此処の国がいれば大丈夫や。きっと勝てる｣

ロボロは安定した声色で
そう言った。

バキッ!

凄い音がしたと思い入ってきた
扉に目をやる。

そこにいたのはα国の幹部だった。
僕は今、武器を一つも持ってない。

rb｢!｣

絶体絶命だ。