金髪狼少女と個性豊かな幹部たち【wrwrd!】 (ページ30)

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【29】命の恩人ページ30

『……』

ガチャ

後ろの扉が開く音がした。

??｢此処にいたんですか。Aさん｣

『あ、トントンさんでしたか。こんな夕方時でも暇でして…僕、外の景色を見るのがとても好きなのでこの場所も好きなんです』

tn｢そっか。好きな場所も出来て良かったわ｣

トントンさんが横に来て
柵に腕を置き外を見ていた。

僕もトントンさんと同じように
しながら外を見た。

tn｢…Aさんはこの先どうしていきたいん？｣

『この先…？』

tn｢そう。この先、何が起こるか分からない。戦争だっていつ起こるか分からない。戦争で戦う俺達の近くにいるのかなって…｣

『！』

tn｢あ、ちょっ…言い方が可笑しかった…っ｣

『ふふっ全然平気ですよ』

口元を少し隠しながら
笑う。

トントンさんは大きな手で
口元を隠していた。照れてるのだろう。

またさっきと同じ体制に戻り
話し出す。

『僕は最初、ニンゲンが嫌いでニンゲンがいるこんな世界からいなくなりたかったんです。』

『自分が狼って事もあってニンゲンから否定され、嫌われそんな存在の僕はいらないと思ったんです』

tn｢……｣

トントンさんはさっきと同じ
体制に戻り僕の話を聞いてくれていた。

『そう思った日から家族であるニンゲンでさえ信頼したくない。この世界で生きているニンゲンに絶対信用しないと自分の中で決めてたんです』

『だけど、あの日。ひとらんが助けてくれて。あの日から絶対変わっていたんです。僕は』

ひとらんに森で助けられ日。

それから我々国の幹部の人と会って

最初はニンゲンだから信用したくなかった

だけど、この人達は違った

僕のことを助けてくれる、大切にしてくれる

そう言ってくれた。

その日以降から徐々に信用できる
存在の人が出来て

今は我々国の幹部の人なら信じられる。

『我々国の幹部の方達は僕の人生を変えてくれた生きることを教えてくれた命の恩人のような方達です。その人達が戦争に出ようと僕は離れたくありません。我々国の幹部の方たちが良いのなら…』

今の僕の中である
一番の願いだった。

生きる意味を教えてくれた
いろんな事を教えてくれた。

　 ″助けてくれた″

tn｢じゃあAさんは俺らが良いって言えばずっといてくるってことなん？｣

『そういうことですね。あ、でも無理して言わなくて良いですからｯ!皆さんの意見もちゃんと聞いて…』

tn｢そんなん、良いって言うに決まっとるやろ｣