金髪狼少女と個性豊かな幹部たち【wrwrd!】 (ページ25)

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【24】青色の疲労ページ25

それからまた少し経って
今度は鬱先生に呼ばれた。

ある物を見せたいと言っていた。
その場所は情報管理室。

案内されたこともなかったから
鬱先生から貰った小さな紙を頼りに
その場所を探した。

鬱先生は情報管理室まで一緒に
行きたいと言っていたが仕事が
終わってないらしく僕一人で来てと
頼んでいた。

とても申し訳なさそうにしていた。

着いた時には周りにあまり
灯りがなく小さなランタンのような
物がぶら下がっていた。

コンコン

『すみません。鬱先生いらっしゃいますか？』

ut｢その声はAちゃんか。無事に来れて良かったわ｣

ガチャッと扉が開いた先には
鬱先生がいてへらっと笑った。

ut｢一緒に行けなくてごめんな。入ってええよ｣

『お邪魔します。』

中には中央に大きな机。

その周りを囲むように
パソコンが何台も置かれていた。

『此処が情報管理室…』

ut｢ごめんな…座る場所ないよな｣

『大丈夫！』

『鬱先生は戦争の時、此処で動いてるの？』

ut｢ん、せやね。たまにロボロと交代で後線援助隊にまわったりしてるかな｣

鬱先生はパソコンをカチャカチャ
弄りながら言った。

『戦争…怖くないの？』

ut｢…｣

鬱先生は手を止めこちらを向き
微笑んでくれた。

ut｢もちろん怖いよ。だけど俺にだって守らなきゃいけないものがあるなって思って。仲間もそうやしこの我々国で生きてる住民だって守らなきゃなって思ってる。怖くて逃げ出したい時だってあるけどその時は逃げちゃ行けないな。守る物があるだろって自分に言い聞かせてるんよ｣

『…、』

鬱先生の言葉一つ一つが
胸に響く。

よく見ると鬱先生も目の下に
隈があった。

『…みんな凄いんだね』

ut｢僕はそんなに凄くないと思うけどな。みんなの方が凄いと思うで｣

へにゃっと笑ったあと
鬱先生はフラッとしていた。

僕は咄嗟に鬱先生を支える。

『鬱先生!?大丈夫？』

ut｢ん…あぁ。大丈夫大丈夫。ごめんなぁ｣

ぎゅっ

僕は今まで絶対にニンゲンに
したことがない。

行動に出ていた。

鬱先生をぎゅっと抱きしめていた。

ut｢うぇ!?Aちゃん…？｣

『自分だって褒めてあげなよ。鬱先生だって凄いし頑張ってる。その隈が頑張りの印』

ut｢…｣

そう言うと鬱先生は僕の背中に
腕を巻いていた。

ut｢…久々に誰かに甘えた気がしたわ。ありがとうAちゃん｣

ぽそっと鬱先生は呟いていた。
部屋の中で響くのはパソコンの音だけだった。