金髪狼少女と個性豊かな幹部たち【wrwrd!】 (ページ18)

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【17】過去の話をページ18

エーミールさんが頼んだとおり
グルッペンさん、トントンさん、オスマンさん
ひとらん、コネシマさん、鬱先生、ロボロさん
ゾム、シャオロンさん、兄さん、しんぺい神さん、エーミールさん、ショッピくん、チーノさんが広い食堂に集まった。

一人一人が椅子に座り
僕の方を見ていた。

『…話…始めちゃって大丈夫なんですか？』

gr｢嗚呼。俺らは終始しっかりと聞いている。Aのペースで話していいゾ｣

『分かりました。では始めますね』

ーー

これは4年前…当時12歳の時の話になる

僕は小さい頃から半分狼、半分人間と
両親に言われていた。

ごく普通の生活を送り狼であることを
忘れかけていたとき。

ふと、人間として生きていくのが
嫌になった。

12歳までは人間として教育を学んで
字や言葉を母から教わっていた。

が、僕も飽き始めていたのだろう。
父はほとんど家にいる。

そんな父もたまに一日中帰って
来ないときがある。

その時は大抵、狼族の仲間と
一緒に旅をしているのだとか。

『ねぇ、母さん。今日は外で遊んできても良い？』

母｢そうねぇ。久々に外で遊んできても良いわよ。だけど、あまり遠くまでは行かないでね｣

『分かった』

その日、僕は山の方まで狼の姿になり
遊んでいた。

自然の美しさ。動物との触れ合い。
全てが楽しかった。

外で遊びながらも父の姿を探していた。
ここのところ、二日間家に帰ってきて
なかった。

『…帰るか』

その日遊んだことは忘れられなかった。

でも母さんにその事は言わなかった。
母さんは僕を人間として育てている。

父は狼男だけど僕を狼として
育てようとしている。

食い違う二人の意見。

僕はこの先、何として
生きていくんだろう。

そう考える日が増えた。

ーー

久しぶりに父が帰ってきた。

『おかえりー!父さ…ん』

父の姿を見たとき僕はとても驚いた。

血だらけの姿のまま父は帰ってきていた。
母さんもその姿を見るなり
父に駆け寄っていた。

所々から血が流れており
その怪我は何やら撃たれた怪我のようだ。

母｢貴方…何があったの?!｣

父｢あぁ…、最近、ニンゲンが辺りを歩き回っていてその一部のニンゲンに見つかって撃たれた｣

母｢取り敢えず怪我を手当てするわ!Aも手伝ってくれない？｣

『あ、うん!分かった…』

この世界ではニンゲンは狼を
怖がるのか？
受け止めてくれないのか？

心の一部が黒く染まった気がした。