君と紡ぐ1ページ【K.T】 (ページ28)

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もう暗いから送るよと言ってくれた海人くんの言葉に甘えて今日は送って貰うことにした

2人で肩を並べて歩く道

あたりはもう真っ暗で電灯のあかりと月だけが私たちを照らしている

ある公園の前を通ると海人くんが立ち止まった

髙｢ちょっとだけ寄っていかない？｣

公園なんか久しぶりだな

昔好きだったブランコに座って月を見上げる

隣でブランコを漕ぐ海人くんは楽しそうに笑っていた

あまりにも綺麗な満月でつい見入ってしまう

気づけばさっきまでブランコを漕いでいた海人くんも月を見上げてて

その横顔に目が奪われてしまった

すると突然海人くんが口を開いた

髙｢俺の初恋の話聞いてくれない？｣

｢初恋？｣

｢うん、初恋。俺幼稚園まで別の場所に住んでたんだ｣

海人くんは私に初恋の話をしてくれた

髙｢幼稚園入りたての頃かな、ある女の子に出会った。大きな公園で遊んでる時に話しかけてくれて二人で遊んだんだよね。その女の子はね3日間家族旅行で来てたらしくてたったの3日遊んだだけなんだけど、それでも俺はその子のことを好きになったんだ。｣

｢その女の子の名前は？｣

髙｢残念ながら顔も名前も覚えてないんだ。もう一度あの子に会って話がしたいな｣

｢会えると、いいね｣

髙｢Aちゃんの初恋の思い出は？｣

｢私？私は、、、内緒｣

髙｢え～、俺話したのに｣

｢いつか話すよ、きっと｣

海人くんの話を聞いいるとズキズキと胸が痛んだ

気付かないふりをしたこの感情、気づいてはいけない感情

だけど溢れ出る気持ちはもう抑えられない

この感情は、、、恋

知らないうちに彼に惹かれていたんだ。

でも、この気持ちは伝えられない

きっと海人くんは今でもあの女の子のことが好きだから

あんなに愛おしそうな顔をして月を見上げながら話していたんだ、嫌でも気づいてしまう

｢帰ろっか｣

私は1度自覚したこの気持ちに蓋をした