君と紡ぐ1ページ【K.T】 (ページ30)

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31 side.Kaito ページ30

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Aちゃんが居なくなった日から俺の胸にはぽっかり穴が空いたような感覚で

一人で遊んでいても何も感じなかったのに、とてつもない寂しさが幼い俺を襲った

この気持ちは紛れもない恋

〝きっと会える〟

この言葉をずっと信じてきた

俺だってもう高校生だ。それなりに恋愛もしてきた

でも、告白されて付き合ってみても思い出すのはAちゃんのこと

もう一度君に会えたら何か変わるのかな

初めて会った日から12年が経って、高校生になった

入学式が終わって俺は校庭の桜の木を見上げていた

桜を見ると思い出すのはあの日の思い出

ふと視線を感じて横を見ると少し離れた場所に立っている女の子

目を凝らしてみると、俺が12年間会いたかった人だった

嬉しくて堪らなかった

俺はニコッと笑ってみせた。けど、Aちゃんは俺のことを覚えている様子はなくて

現実は甘くないな。そう思った

高校生活にも慣れてきたある日、彼女が仲のいい友達の幼馴染だということを知った

でも、会話をすることはなくてお互いの名前を知っている程度

あっという間に1年が経ち2年生になった

クラス替えで同じクラスになれて話す機会が増えた

前に1度俺のこと覚えてない？なんて聞いたことがあったけど怖くて答えが聞けなかった

気持ちを伝えることが出来ないまま時が経って今に至る

思い切って初恋の話をしてみたけど、やっぱり覚えてないかな

忘れられてても、新しい思い出また紡げばいい

俺はあの日から止まっている君とのページの続きを紡ぎたい