幸せ56 ページ14
今夜の奴良組本家はいつも以上に賑わっていた。
というのも、2代目総大将・鯉伴が緊急会合だとかで召集をかけたからだ。
急な呼び出しにもかかわらずみなが揃って足を運ぶのは
総大将への忠誠心の表れであり、鯉伴の器を物語るものであった。
「ぎゅーき!」
牛鬼「おや、これは若様…。
御身体の方はもうよろしいのですか?」
「うん!もう元気だぜ!」
牛鬼「それは良かった。
貴方様は我らの大事なお方…。
もうこのような無茶はなさらぬよう、今回の件は重く受け止めるよう…」
「説教なら散々されたよー!!」
わー、と耳を塞いで喚くAに
初代奴良組からの幹部・牛鬼はやれやれと溜息を吐いた。
「でも心配かけてごめんなさい。
それとありがとう。お見舞い品沢山くれて。」
牛鬼「若様のお気に召されたでしょうか?」
「うん!ほとんどリクオに食われた!」
牛鬼「相変わらず仲のよろしいようでなによりです。」
リクオ「Aーーーー!!」
「あ、リクオが呼んでる。
俺行くなぎゅーき!また後で!!」
牛鬼「…若様。」
「ん?」
弟の方へ走り出そうとするAに、牛鬼は険しい顔と眼差しを向けた。
牛鬼「貴方様は、我らの、奴良組の未来___
いつまでもこのままではいられないということを
ゆめゆめお忘れなきよう_____。」
その言葉と共にギラリと光る牛鬼の目に少し寒気を覚えて
Aは曖昧に頷きながらいつもより駆け足でリクオの方へ今度こそ消えていった____。
・
・
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「リクオみーっけ!」
リクオ「わー!見つかったー!!」
軒下の、しかも器用に柱の裏に隠れていたリクオを
Aは傷がつかないよう手を引いて出してあげた。
兄に手を引かれて嬉しそうなリクオは泥だらけだ。
「ありゃりゃ…。これ雪女達に怒られるぞー。」
リクオ「ねえA!ここの下すっごいドロドロだったよ!
今度は泥遊びしようよ!!」
「うんうん、お兄ちゃんの話ちゃんと聞こうな?」
そう言って、子妖怪達が持ってきてくれた手拭いで顔の泥を拭ってやれば
えへへと笑うリクオを、Aは思わずギューッと抱きしめた。
「ああもう可愛いなぁリクオは!」
「違うよ!僕はカッコいいんだよ!」
二人がそうじゃれ合っていると
遠くの、会合の間の障子ががらりと開き
中から大勢の幹部衆がどかどかと退出してきた___。
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紗那(プロフ) - 久しぶりに《この手に掴んだ幸せを》を一気に読み直したのですが、やっぱりstoryや展開などが大好きです(*^◯^*)更新停止になっているみたいですが、もう更新されないのでしょうか・・・・?更新されるのを待ってます(>人<;) (1月28日 17時) (レス) id: a0235214a5 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めっっちゃくちゃに好きです。大好きですガチ萌えます!!!本当に最高すぎます!!!!もう更新されることは無いのでしょうか……?続き楽しみに待ってますm(_ _)m (12月11日 18時) (レス) @page50 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - すっごく、萌えます!!めっちゃ続き気になります! (9月25日 0時) (レス) @page50 id: 1fc4502f62 (このIDを非表示/違反報告)
ポッチ(プロフ) - めっちゃ好こです。男色もストーリーも大好きなので何度も読み返してしまいます。更新はもうされないのでしょうか? (5月24日 11時) (レス) id: bc736021f3 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - おわーーー!!好きです!好きすぎます!!!このままリクオも混ざって…まさか若菜さんが…良いですね!!!!!鯉伴様もカッコ良すぎる!!続き、待っております!でも、無理はなさらないでください! (2022年10月25日 1時) (レス) @page50 id: 4d12249e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泪 | 作成日時:2017年4月10日 15時