【奴良組】この手に掴んだ幸せを。【ぬらりひょんの孫/男主】

幸せ44 ページ2

「痛い痛い痛いっっ!!痛いってばーーっ!!!!」


鴆「こんだけ大怪我してたら痛いのは当たり前だ!!我慢しろ!!」


「い――た――い―――!!」


鴆「うるせぇっ!!」


「あいたっ」






俺が意識を取り戻した翌日


俺の怪我の治療のために暫く本家滞在となった鴆に薬を塗ってもらっているが



超痛いです。

これホントに薬?塩とか唐辛子じゃなくて??




冗談抜きに痛すぎるのでじたばたと暴れていると頭叩かれました。ひどい。


昔はもっと大切にしてくれてたくせに!!






昨日はもう本当に色々ありすぎて疲れた。





悪夢は現実になるわ、死にかけるわ、生き返るわで

あんな濃ゆすぎる一日、今後もう絶対あり得ないだろう。


ていうかあってたまるか。今度こそマジで死ぬぞ。






あの後は鴆に別室に連れていかれ、診察を受けた。


死にかけていた＿＿というか、一度死んだに等しい状態だったというのに

俺の体は驚くほどピンピンしていて、異常は見られなかった。



危機はもう完全に脱したのだ。





その事を親父たちに伝えた後、鴆は「今日はゆっくり休め。」と言ってくれた。

疲れ切っていた俺はお言葉に甘えてそのままぐっすり眠りについたのだが





翌日起きたら怪我の痛さに悶絶し、鴆のお世話になっている次第です。







「もう峠は越えたんじゃなかったのかよ…。」


鴆「峠は越えても怪我はまだ完治してねーよ。

もう暫くは安静だな。」


「うえぇ〜〜…。一番苦手なやつ…。」


鴆「安静、だ。分かったな？」


「いやん、お兄ちゃんったら睨んじゃや〜だ。」


鴆「・・・。」


「痛い痛いいったい!!ごめんなさい!!!!安静にします!!!!」


鴆「分かればいいんだよ分かれば。」


「うぅ…。こめかみイタイ…。」






俺、仮にも昨日まで割と危なかったんだよ?

もうちょっと優しくしてくれてもよくね?






鴆「・・・・。」


「？なに鴆。

痛みならさっきよりマシになったよ?ありがとう。」


鴆「いや。そうじゃねぇ。





A、お前…」


「？？」


鴆「……いや。





そんだけ元気があれば大丈夫だろ。

待ってろ、二代目達呼んでくるからよ。」


「え？うん。」






立ち上がった鴆は襖に手をかけながら「そうそう」と振り返った。





鴆「覚悟はしとけよ。」


「へ？なんの??」


鴆「お前がやった事への。」


「？？

それってどういう…」


鴆「二代目に会えば分かるよ。」





そう言って鴆は今度こそ出ていった。

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