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幸せ88* ページ47

柔らかな感触と、目の前にある親父の顔。


なんかこの光景、昔見たことあるような…。


あ、確かあれだ。

リクオが一時期チューにハマってた頃によくされてた。



……ん?



じゃあ、今、俺は親父と…





「ん、んンっ!?」




思考がようやく現実に追いつき

慌てて親父の肩を叩く。


すると呆気なく温もりは離れていった。




「っにすんだよ!からかうのも大概に…」




そう言って親父の顔を見れば

親父自身も、驚いた顔をしていた。




「何でアンタが驚くんだよ…。」


鯉伴「…俺、今お前に接吻したかい?」


「してたよ!!ついにボケたか!?」


鯉伴「……そうかい…。」




そう呟いて、親父は顎に手を当てて真剣な顔をし始めた。

マジで、何だってんだよ…。




鯉伴「A。」


「な、んだよ…。」


鯉伴「俺ぁ、お前とリクオ、若菜を愛してる。」


「だから急になんだよっ!?」


鯉伴「それは家族に対する愛情で、何があっても守りてぇって気持ちだった。


けど、どうやら今の俺の気持は違うみてぇだ。」


「は…?」




スッ、と僅かに細められた親父の瞳の奥に

何かギラついたモノが見えて


俺は思わず、喉をヒクリと鳴らした。




鯉伴「お前を誰にも傷つけさせたくねぇ。

誰にも渡したくねぇ。


俺の傍で、幸せに笑っていてほしい。」


「お、やじ…」





親父の迫力に、体が後ろにたじろぐ。

しかし、両手で優しく頬を包まれ、向き合わされる。


その顔は、今まで一度だって見たことのない___





男の顔だった。





鯉伴「心の底から愛してるぜ、A。」





さっきも聞いた、いつも伝えられてきたその言葉には

これまでにない熱が籠っているように思えた。


耳から、見つめ合う瞳から

その熱が注がれたように、体中が熱い。



けれど俺は、その熱に






自分の熱が触発されているのを感じた。




鯉伴「…逃げねぇのかい?」



ツッ…、と親指が俺の頬を撫でる。

それにピクリと体が反応してしまった。


それでも、逃げ出したいなんて気持ちは少しもわかず

それでころか、どこか安らぎを感じてすらいた。



鯉伴「自分に気のある奴の前で、んな顔しちゃあ…」



頭では、ダメだって分かってる。

男同士で、親子で、親父には母さんが居て、立場があって…


色んな事が頭を占めていたのに



鯉伴「食われても、文句言えねぇな。」



二度目のキスに、全てが絡めとられた。

幸せ89*→←幸せ87 -鯉伴side-



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紗那(プロフ) - 久しぶりに《この手に掴んだ幸せを》を一気に読み直したのですが、やっぱりstoryや展開などが大好きです(*^◯^*)更新停止になっているみたいですが、もう更新されないのでしょうか・・・・?更新されるのを待ってます(>人<;) (1月28日 17時) (レス) id: a0235214a5 (このIDを非表示/違反報告)
こと(プロフ) - めっっちゃくちゃに好きです。大好きですガチ萌えます!!!本当に最高すぎます!!!!もう更新されることは無いのでしょうか……?続き楽しみに待ってますm(_ _)m (12月11日 18時) (レス) @page50 id: 8bdd3d2cd9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごく、萌えます!!めっちゃ続き気になります! (9月25日 0時) (レス) @page50 id: 1fc4502f62 (このIDを非表示/違反報告)
ポッチ(プロフ) - めっちゃ好こです。男色もストーリーも大好きなので何度も読み返してしまいます。更新はもうされないのでしょうか? (5月24日 11時) (レス) id: bc736021f3 (このIDを非表示/違反報告)
れもん - おわーーー!!好きです!好きすぎます!!!このままリクオも混ざって…まさか若菜さんが…良いですね!!!!!鯉伴様もカッコ良すぎる!!続き、待っております!でも、無理はなさらないでください! (2022年10月25日 1時) (レス) @page50 id: 4d12249e4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年4月10日 15時

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