【暗殺教室】無気力で眠そうな君のみる夢 II

ちょっとだけの時間 ページ23

渚side



殺せんせーの触手で水から掬い上げられたあと、

Aが慌てたように走ってきた。



僕と目が合うと泣きそうな顔で、僕も無意識に手を

伸ばした。




『A……』



A「…まだ、……」



カ「渚君、」



『カルマ君… 』



川の中では、水を吸った殺せんせーがイトナ君の一

方的な攻撃に耐えている。





シ「触手の数を減らし、その分パワーとスピードを

集中させた。単純な子供でも操りやすい」




「まじかよ」
「あの程度の水のハンデなんとかなるんじゃ？」




寺「水だけのせいじゃねー」



磯「寺坂！」



寺「力を発揮できねーのはお前らを助けたからよぉ

見ろよあのタコの頭上」



「あぁ！ぽっちゃりが売りの原さんが今にも落ちそ
うだ！」

「殺せんせー、原さんたちを守るために！」



寺「あいつヘビーでふとましいから危ねぇぞ」



『助けないと！』


「でもどうやって？」



磯「お前ひょっとして、今回の事全部奴らに操られ

てたのか？」



寺「…っあぁそうだよ。目的もビジョンもねぇ短絡

的な奴は頭のいい奴らに操られる運命なんだよ。だ

がよ、操られる相手くらいは選びてぇ。奴らは懲り

懲りだ、賞金持ってかれんのもやっぱ気にいらね

ぇ！だからカルマ、テメェが俺を操って見せろや」



カ「は？」


寺「その狡猾なおつむで俺に作戦与えてみろ。完璧

に実行してあそこにいるのを助けてやらぁ」



カ「いいけど。実行できんの？俺の作戦、死ぬかも

よ」



寺「やってやんよ。こちとら実績持ってる実行犯だ

ぜ」



ふっと隣にあったぬくもりが消えた。

A…？



A「一緒に行く。」



寺「はぁ！？A、やめ」



A「死んでも後腐れない奴が手伝うって言っ

てるんだけど。嫌いでしょ僕の事。」



寺「…あぁ、お前の事は気にいらねぇよ。でも、」



A「短絡的な奴の指図は受けない」



そう言ってAは、少しいたずらっぽい得意げ

な笑みを寺坂に向けた。



A「僕なら役に立てる、でしょカルマ君」



カルマ君に向けた笑みは、それに加えて自信と信頼

のこもったものだと感じた。




そんなAにカルマ君の向ける笑みもいつもよ

りちょっと優しい気がする




いつから…？




そんな事考えてる場合じゃないのに、でも





やっぱり僕はちょっとだけ、寂しくて悔しいんだ。

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