不本意ですが、公安警察庁警備局警備企画課所属です。２

「悪魔。」 ページ11

「…探偵って、つくづく嫌な職業ね。」


これは口癖。
忘れることのできない、染み付いた復讐心。


別に私の両親が悪かったわけではない。
何か法に触れることをしたわけでもない。

何もしてない父さんと母さんが…

何で死ななきゃならなかった？

何度考えても分からない。
理解できない。









血のにおい。

散る鮮血と銃弾。


叫び声。

誰のものかも分からないほど、溢れる恐怖の叫び声。



父さんと母さんが死に際に、命が尽きる前に告げた言葉。


『お前は、生きて生きて、生き延びるんだ。』

『人はいつか死ぬものよ。それまで、そのいつかが来るまで。』



生まれたときから、何度も何度も言われた言葉。


『お前には人を幸せにする力がある。』

『どうか、誰かを傷つける人にはならないでね。』




私は叫んで、喉を潰した。

泣き喚いて、涙が枯れた。




このときに死んだ。







私の中の、『河合A』は。



そして誓った。





私は悪魔だと。

全てを捨てて地獄をつくる、悪魔になると。






このときに生まれた。





私の名前は『水暦A』。

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