何もかも手放して、そして手に入れた。

Trip story 08 ページ9

あ〜死にたいときってこういうときなんだろうな〜…



只今服売り場で絶賛人質中。
わけわかんねえよもう。
死にたいよ俺。

何で服買いに来たら強盗が来るんだよ。
俺もうあと一歩で買えたんだけど。

さすが死神の住む町。
もう常識なんて無いんだな。

強盗、初めて見たよ。

「オラ、さっさと金出しやがれ!!」

「急げ!!」

なーに急いでんだこいつら。
何だ？
警察がそんなに早く来るとでも思ってるからか？
バカだなあ。
そんなパターンな展開じゃあるまいし、そんな簡単に…






「ルリお兄さん！」




パターン。








マジ死ね俺の運命。


何でさっき帰ったやつがここにいるんだよ！
てか小声でも話しかけんな！

…どうする？

めっちゃ見てくるなお前。
怖いわ。

…あいつと俺の距離は２メートルくらい。
これなら聞こえなかったフリできるかな…。よし。

前を向いて、聞こえなかったフリをする。
これ一番効果的だろ？

俺あったまいい。

「ルリお兄さんってば！」

話しかけんなって！
マジで！
目つけられたら終わりだって！

待って、今目が怖くなった。

「…聞こえてるでしょ。」

「…静かにしとけよ…」

「やっぱり聞こえてるよね。」

もう隠し切れないか。
ギブアップするの早いな俺。

でも今この場に来てみろ。

強盗プラス死神だぞ？
凡人なら死ぬぞ？
俺も凡人だけどな。

耐えられんぞ？

「ねえ、お兄さんなんでここに？」

直球。

「…服買いに。」

もうどうしたらいいかわかんねえよ神様。

「どうして？引っ越して来たんなら、服くらいあるはずだよね？普通、引っ越してすぐに買いに来るなんてありえないし…」

おい、何でそんなに俺を疑う？
俺何かした？

この状況を打破する方法を教えてくれ神様。






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助けてよ、小町。


あのときみたいに、俺に、

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