何もかも手放して、そして手に入れた。

Trip story 19 ページ21

「一つ、伺ってもよろしいですか？」

「はい？」

急に改まって何聞くつもりですか？
何か俺の脳が悲鳴をあげてるんだけど。

「君は、誰ですか？」

何度目かですね、その質問。
答え？
はっ何も用意してねえよ。

いやね？
言ってもいいんだよ？
ていうか、この人とこの子のタッグを欺き通せる気がしないね。
でもさ、言ったら言ったで、また面倒くさいことになるじゃん？

できれば嘘だけで突き通したいね。


「…えっと、本名とかそういう質問は受け付けてませんけど。」

「では言い方を変えましょう。君は一体何者ですか？」


言い方変えても主旨何も変わってねえよ。

怖え。
マジ怖え。

目瞑ってるのになんで目力あんの？
威圧すごいんだけど。


んー、でも。

言うわけには、いかないかなぁ。


どーしよ。

下手にストラップのこととか探られても困るし…

よし。


「最近ここに引っ越してきた瑠璃神ですけど。」


「…そうですか。失礼しました。」


簡単に嘘に引っかかってくれたね。

俺ポーカーフェイスできてたんじゃね？

やべえ楽しい。

ちょっと怪訝そうな顔で伺ってやれば、すぐ諦めるんだから。





・




・



・



「じゃあね。コナンくん。沖矢さん。」

「ばいばーい。」

「では。」

さっさと帰りやがれ。
顔に笑顔を貼り付けて追い返す。


もう来るんじゃねえぞ〜
いや、この調子だと絶対明日も来るよな？

うわ。



とりあえず、服買いに行こう。

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