第三話 一瞬で、一変 ページ4
「ねぇ…名前は?」彼女が聞いてきた。
「忍霧…ザクロ」つい、素っ気なく答えてしまう。
「ザクロかぁ…ザクロ」彼女は嬉しそうに何度も俺の名を呼ぶ。
「う、煩い。…お前は?」興味があった。もっと、彼女の事を知りたかった。
「私?…私はねぇ透野 雫羽(とうの しずは)だよ」
初めて聞いたその名はとても綺麗な響きだった、
「透野か…」と呟くと、アイツは「嫌だなぁ、雫羽って呼んでよ、ザクロ」と言った。
その時見せた笑顔も綺麗で…「…雫羽」と呼ぶ事にした。
(こんな事も在るんだな…)
雫羽は大丈夫でも、まだ他の女は駄目なのだろう。
"特別な存在"が出来たみたいで、心の隅で喜んでいる自分が居た。
「その花…誰かにあげるの?」と雫羽が聞いて来た。
「あぁ、妹に」「へぇ、妹が居るんだ」周りから見れば素っ気なさ過ぎる会話だけれど、俺達にとっては何よりも楽しい会話だった。
「…そろそろ帰る」「…そっか」雫羽は明らかに残念そうな顔をした。
そんな雫羽が可笑しくて、俺は、
「大丈夫だ。明日も来る」と言う。
すると、雫羽は、「本当?…嬉しい」と、満面の笑みを浮かべた。
「私はいつでも此処に居るから」「分かった。また、明日」「バイバイ、ザクロ。明日はもっとザクロの事を教えてね」
雫羽は手を振りながらこう言った。不思議と悪い気はしなかった。
むしろ、嬉しいの方が近いのかもしれない。
明日が待ちきれなかった。俺は軽い足取りで、家への道を歩いて行った。
○▼◇*△●◇*▽◆
あの後、俺は急いで家に帰った。もう半分暗かった。
家に帰ると、サクラにどやされてしまったが、簡単なもので、花を渡すと許してくれた。
しかし、悪夢は突然やって来た。
母さんが、息を切らしてやって来て、それは告げられた。
「母さん…?どうしたんだ?」
すると、サクラも思い出した様で、急に震え始める。
「?」
その時ばかりは浮かれていて、直ぐに気づけなかった。
「今日は…今日は、あの人が居るの!だから、早
・・・
くっ…」
母さんが言い終える前にそれはやって来てしまった。
絶望、絶望、絶望。
一気にどん底に突き落とされた感覚。
「久しぶりだなぁ、ザクロ」
…其処には、父さんが立っていた。
アイツ
「っ…」
何とも言えない恐怖が襲ってくる。
「大きくなったもんだ」とアイツは云う。
父親面に腹が立った。イライラが止まらない。
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(名前)アカツキ トワ(プロフ) - おぉ、お仲間ですね(( ありがとうございます(^○^)頑張らせて頂きますw (2017年1月1日 9時) (レス) id: 918c5540c3 (このIDを非表示/違反報告)
冬乃 - 私も同じことしたことありますw次の更新、楽しみにしてます! (2017年1月1日 8時) (レス) id: 92c1726b4d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)アカツキ トワ(プロフ) - そうなんですか笑 ありがとうございます(^○^)嬉しいです!頑張りますねキリッ (2016年12月31日 22時) (レス) id: 918c5540c3 (このIDを非表示/違反報告)
花藺 - いえいえ、私もおんなじことしたことありますから。更新、楽しみにしてますね。 (2016年12月31日 22時) (レス) id: b5c79c655b (このIDを非表示/違反報告)
(名前)アカツキ トワ(プロフ) - 外しました~。ご迷惑お掛けしてすみません(;o;) (2016年12月31日 21時) (レス) id: 918c5540c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ トワ | 作成日時:2016年12月26日 21時