第32夜「シンドリアと煌帝国」 ページ35
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戦の過ぎた広大な地にあるのは二つの国の王とその家臣達、そしてその友人達。
面子は豪華だが、その場の空気は戦慄としていて、とても戦の勝利を祝合える様な空気では無い。
黒蘭(もっと友好的にならないものかな……)
黒蘭は、その様子を紅炎の背後に立ちながら呑気に眺めていた。
紅炎「元々俺たちの目的はここ、マグノシュタットだ。そもそも、煌帝国の"金属器"使いをこれだけ控えさせていたのは、レームの"金属器"使いに対抗するため。戦う相手がすげ替わっただけの話だ」
アラ「!!!おじさん!!!話が違うじゃないか!!!」
紅炎の言葉に、青い上の少年……マギのアラジンは抗議する様に声を荒らげる。
黒蘭「紅炎様、お守りになれない約束は慎んで下さい」
紅炎「……」
黒蘭の囁かなお叱りに口を噤む紅炎の姿に、困った様に微笑む。
相変わらず自分を曲げないお方だ。
黒蘭(しかし、白龍は戦場へ訪れていないと聞く……俺も紅炎様も知らないことがこの国内で、水面下で動いているのか……?)
紅炎の背後に居ることで重々しい空気からはすっかり蚊帳の外になっていることを良いことに、黒蘭は一人考えに耽る。
その内にも、重々しい空気の中、話はトントン拍子に進んでいく。
シン「"七海連合"はレーム帝国と、正式に同盟を結んだ」
ムー「……その通りだ。シェヘラザード様が最後の戦いに赴く直前に決断なされた……」
黒蘭「へぇ……("シンドバッド王"はなかなか敏腕になられた様だ)」
俯き加減にそう応える明るい赤髪の戦士……察するにレーム帝国の金属器使いだろうか。
その男の言葉に、黒蘭は感心の声を零した。
シン「レームと煌の均衡状態を左右しゆる勢力は"七海連合"の他には一つもない。それがレームと手を組んだ。言いたいことはわかるよな?」
黒蘭(あ)
両の手を広げて口元だけ笑みを浮かべたシンドバッドの視線と黒蘭の視線が一瞬、絡んだ様な気がして思わず身体に力を篭める。
黒蘭(見過ぎた……)
シン「さらに俺は、ヤムライハの養父マタル・モガメットが治めていた半壊した国を見捨てても行けない。マグノシュタットの再興に、力は惜しまないつもりだが?」
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黒野(プロフ) - 高菜の漬物さん» 初めまして。コメントありがとうございます!すごく褒めて頂いている気がします……!嬉しいです。そんなことをいわれてしまうと、高菜の漬物さんの作品も見てみたくなりますね(笑)これからも宜しくお願い致します(*^^*) (2016年12月27日 22時) (レス) id: 27b05d7c0d (このIDを非表示/違反報告)
高菜の漬物(プロフ) - とても面白いです!あなたの作品を見てると自分の文才の無さがよくわかりますww (2016年12月27日 22時) (レス) id: b193255b4e (このIDを非表示/違反報告)
ロータス - 見返してみました!やっぺりとても面白いです!頑張ってください (2016年5月11日 23時) (レス) id: 6ecb1d6eb6 (このIDを非表示/違反報告)
熊森@。゚(゚ノД`●゚)゚。(プロフ) - 黒野さん» わかりましたよ~無事には入れました(○´∀`○) こちらこそ、更新楽しみにしてます! (2016年1月10日 21時) (レス) id: 4b487ee51b (このIDを非表示/違反報告)
黒野(プロフ) - 熊森@。゚(゚ノД`●゚)゚。さん» 熊森さんコメントありがとうございます!パスワードわかりましたかな〜…?俺も理解して頂けるか少し不安です……!これからもよろしくお願い致します! (2016年1月10日 21時) (レス) id: 27b05d7c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒野 | 作成日時:2015年12月25日 12時