Song*28〜あらきside〜 ページ32
あ「…うん、いい感じじゃない?俺は大丈夫だけど、Aちゃんはどう?」
喉慣らしのための吉原ラメントを歌い終わって、隣にいるAちゃんに尋ねてみる。
『あ、だ、大丈夫です…』
なんていうAちゃんの顔は真っ赤で、別の意味で大丈夫?なんて聞きたくなってしまう。
あ「ほんとに大丈夫?笑」
『…いやごめんなさいちょっと待ってください、』
真っ赤な顔を手でパタパタして冷ましてるAちゃんを見て思わず可愛いな、なんて思ってしまう。
実は俺も内心全然余裕なんてないけど、格好いいって思ってもらえるのはやっぱり嬉しくて、それを崩したくなくて、つい余裕なふりをしてしまう、格好悪い俺。
この可愛いAちゃんと吉原ラメントとか威風堂々を歌う色っぽい千雪さん。そのギャップにやられてしまいそう、なんて思ってる俺は多分既にやられているわけで。
『もう大丈夫です、お待たせしました…』
あ「全然いいよー、歌おっか。」
着々とお互いの準備を進めていく中でちらっと横目で見てみれば、あの時と同じ、Aちゃんから千雪さんに変わっていく瞬間。
あぁ、だめだ、何回見ても鳥肌が立ってしまう。
『…準備出来ました。』
あ「こっちも。じゃあ…行くよ。」
『はい、お願いします。』
イントロが流れる。
千雪さんに適うなんて思っていないけど
俺は俺で、俺の歌で、彼女を魅せられるように。
自分の全力は出し切った。だけど。
サビで合わせてきた彼女の歌を聴いて。
二番で自分がメインになった彼女の歌を聴いて。
あぁ、やっぱり彼女には適わない。
二人で歌うところは俺の歌を壊さないように、でもちゃんと彼女の歌の芯を通して、歌っていてお互いがすごく気持ち良い雰囲気を彼女が作り出していて。
二番はもう言うまでもない、思わず目線を奪われてしまうような、それでいて直視できないような。
彼女の歌は、魔法だ。
歌い終わって、達成感やら何やらでまた真っ赤になった顔で恥ずかしそうに笑う“Aちゃん”を見て、
俺はようやく、気づいた。自覚した。確信した。
いつからだろうか。
彼女に会いたくてコラボの度になるせの家に行っていると気づいた時にはもう、本当はわかっていたはずなのに。
歌い手のしての千雪さんも。
一人の女の子としてのAちゃんも。
俺は、こんなにも、好きだったんだ。
363人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
璃穂(プロフ) - ぬー@青森の最終兵器さん大好きさん» ああああありがとうございます!!返信遅くなりすぎましたごめんなさい…!もうすぐ2の方も更新再開する予定です、またよろしくお願いいたします! (2020年6月29日 21時) (レス) id: a64256496e (このIDを非表示/違反報告)
ぬー@青森の最終兵器さん大好き - あらきさん推しなので嬉しいです!ニヤニヤしながら見てます!!たまに、発狂もしてます笑あらきさんカッコよすぎ… (2019年10月3日 15時) (レス) id: 856e5af163 (このIDを非表示/違反報告)
璃穂(プロフ) - うめさん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんには基本常に愛されててほしいという気持ちがそんなところにも出てしまいました笑 (2019年7月1日 17時) (レス) id: a64256496e (このIDを非表示/違反報告)
うめ(プロフ) - まふくんの彼女?ってやつのところで"可愛い"女の人って言っててちょっとほんわかしました。← (2019年7月1日 16時) (レス) id: 1c95ccfd2a (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬 霜(プロフ) - 璃穂さん» リクエストありがとうございました!めっちゃ良かったです!! (2019年2月12日 22時) (レス) id: c3dd7470fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:璃穂 | 作成日時:2018年11月26日 11時