【あらき】大好きなのは、貴方だけ。【歌い手】

Song1* ページ3

『はああぁ〜…かっこいい…』


自分の部屋でスマホとイヤホン片手に悶えてる変人は私____Aである。

自分でも気持ち悪い自覚はある、けども。
だって、だって。


『ほんっとに…かっこよすぎるよあらきさん……』


仕方ない。大好きな人の歌を聴いてたら誰だってこうなる。

ちなみに今聴いてたのはあらきさんの「夢のまた夢」。あの「ばいばい。」の何とも言えないあらきさんらしさが大好きで大好きで仕方ない。

あんな声で、あんな風に囁かれたら…。
もう死ぬ自信しかない。


そう、例えば「A」

そう、こんな風に「A」


「おい、A！！！！」


『わぁ！？え、って、なんだ、お兄ちゃんか…』


な「何だじゃねーよ。俺が何回呼んでも気づかねーし。」


『あ、あぁ、ごめん…』


な「ったく。どうせまたあらきでも聴いてたんだろ。」


『あはは…よくお分かりで。』


な「つかあらきなんて俺とのコラボのためにしょっちゅう家来るじゃん。なんでその時にもっと話しかけないわけ？」


『なっ…ば、馬鹿じゃないの！？私なんかが軽々しく話しかけていい存在なわけないでしょ！？近くでお顔を拝見できるだけで十分すぎるから！！』


な「あ、そう…。」



お兄ちゃんは最早見慣れた呆れ顔をするけど、仕方ないと思う。

もちろんあらきさん以外の歌い手さんのも聴くし(お兄ちゃんのももちろん聴く、言わないけど)、好きな人もいるはいるんだけど、あらきさんは別。

この感情の正体なんてずっと前にわかってるけど、まぁだからってどうするつもりもない。お兄ちゃんがnqrseってだけで、ただのファンだし。恐れ多すぎる。


『って、結局お兄ちゃんどうしたの。私があらきさん聴いてるか確認しに来たわけじゃないでしょ。』


な「んなわけあるか。つっても忘れてた俺も悪いけど。」



あのさ、とお兄ちゃんは私に向き合って


な「Aさ、いい加減Twitter始める気ない？」


私が目を逸らし続けてきたことを、見事なまでに私にたたきつけてきたのだった。

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