【あらき】大好きなのは、貴方だけ。【歌い手】

Song15*〜まふまふside〜 ページ18

ま「そらるさーん？入りますよ？」



千雪さんが新曲を出すとツイートしてから数日後。


僕は今日、AtRの新曲の作業を一緒にするためにそらるさんの家に来ていた。


来ることは言ってあったし、家も近いからそらるさんは鍵を開けてくれていたから普通に入れたけど、

いつもなら声をかけてくれるそらるさんから返事すら返ってこない。


ガチャ


ま「そらるさん？どうしました？」



いつもの作業部屋に行くと、そこにはパソコンの前に座り込んでるそらるさんがいた。



何だ、いるんじゃん。



ひょこっと顔を覗き込めば、なんとそこには、画面を見ながら涙を流しているそらるさん。



ま「は、？え、ちょ、どうしました？」

そ「…まふ、お前、聴いてないの？」

ま「何がです？」


そ「…千雪さんの、新曲。」


その言葉を最後まで聴く前に、半ば反射的に僕は某笑顔動画を開く。

千雪、と検索すれば数分前に投稿された動画。


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【４作目】四季折々に揺蕩いて【千雪】

こんにちは、千雪です。先日は沢山のリクエスト、ありがとうございました。
大好きなまふまふさんの曲を歌わせていただきました。
許されない恋もある。それでも、好きな気持ちは、止められない。

Vocal:千雪 Mix:△△
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ま「う、そ…」


歌ってくれた。僕の曲を。僕のリクエストを…。


震える指で再生ボタンを押して、僕がそらるさんのように涙を流し始めるのに、時間はかからなかった。



溢れる想いを抑えるように。


まるで本当に、許されない恋をしているかのように。




あぁ、この人は、本当に。


どこまで僕たちを魅了するのだろう。



ま「…そらるさん」

そ「…ん。」


ま「僕、正直思ってました。

千雪さんがTwitterを始めた時、ちょっとだけでも近づけたって。このままいつかコラボも出来るかなって。」


そ「…うん。」


ま「…でも、僕、多分無理です。」



こんな歌を歌う人と。



ま「僕、コラボなんて出来ないです…」




遠すぎる。


好きすぎる。



綺麗すぎるものを、汚してしまうような。


そんな、怖さ。



そ「…俺も、同じこと、思ってた。

こんなの、初めてすぎて…っ」



再び震え始めるそらるさんの声。


遠く感じる、貴女の姿。





これが恋なのだとしたら。


これこそが、きっと、貴女の歌う“許されない恋”だ。

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