▼ ページ8
「ただいまぁ〜！！」
息を切らして帰ってきためいちゃん
彼の手に握られているのはビニール紐で出来た網に入った大きなスイカ
スーパーの青果コーナーで見る以外、なかなかお目にかかる事の無いサイズのそれに全員が思わず目を丸くする。
「何その荷物…！」
「え？スイカと焼き鳥！！」
自慢げにスイカと焼き鳥の入ったビニール袋を掲げるその顔はいつもよりも数倍輝いていた。
「いや、でっか！」
「めいちゃん、張り切ってますねぇ」
「だってこんな事なかなか無いじゃん！」
「スイカなんて久々に見たよ〜」
すごい、すごいと嬉しそうにはしゃぐマヨ
「マヨ持ってみて…！」
「うわっ、重っ！」
「でしょ〜？一番デカいの買って来た！！」
「それもたらいで冷やしたらいいんじゃないですか？」
「うわ！あらきさん名案すぎ！！」
目を輝かせためいちゃんがスイカをたらいに入れて、そこからキンキンに冷えたビールを選んで席に着く。
「じゃ、全員揃ったしはじめましょうか！」
「そうですね」
「みなさん飲み物の準備はいいですか？」
「はい！！」
「では、全員の日頃の頑張りを讃えて！かんぱーい！！」
「「「かんぱーい！！！」」」
ご機嫌なマヨの音頭で屋上宴会が始まった。
「焼き鳥もーらい！」
「あ、俺焼きそば食べたい！」
「なるせ、何食べるの？」
「え〜、俺も焼き鳥欲しい」
「はい、いっぱい食べな」
「ありがと〜」
各々が自由に好きなものを好きな様に食べて、飲んで、花火が上がるのを待っていた。
・
酒も進んで全員がほろ酔いになった頃、急に空が明るくなって大きな爆発音が鳴り響いて、音に驚いたマヨとあらきが飛び上がった。
「ぴゃっ！？」
「うおぉっ！？びっ、くりしたぁ」
「うわっ！はじまった！？」
「近っ！！」
ちょうど目の前に花火が上がって、全員がそれを見上げる。
「すごい、きれい…！」
「ね、これはやばいわ」
花火を見詰めるマヨの瞳はキラキラと輝いていた。
・
スターマインが上がって、あたりは静かになって上空に残った煙が風で流れて消えていった。
「あー、終わっちゃった…」
「あっという間でしたねぇ…」
「いやぁ、でもここマジでいい物件だよね」
何本目かのチューハイを飲み干しためいちゃんが言う。
「たしかに」
「本当それ」
「春のお花見も楽しみだね」
「KOOLさん滅茶苦茶楽しみにしてましたよ」
赤い顔をしたあらきがヘラヘラと笑う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 516人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたたね(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます☺️✨楽しんでいただけたようで幸いです💕 (10月1日 16時) (
レス) id: 6910b7a819 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白すぎて一気に読んでしまいました😍‼️幸せの具現化すぎて、一生読んでたいです😭🙏🏻 (10月1日 11時) (レス) @page20 id: 0439cd6fa9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うたたね | 作成日時：2023年6月24日 21時
