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【side:ark】
打ち合わせを終えて家に帰るとダイニングテーブルの上にめいちゃんの走り書きのメモが置かれていた。
《Aへ リハお疲れ様！！
差し入れで貰ったからあげる
スタジオ行ってきま〜す！ めいちゃん》
その横にはAさんが好きそうな焼菓子がふたつ
そんなに甘い物が好きではないめいちゃんは良く差し入れで貰ったお菓子なんかをAさんに横流ししている。
まぁ、いつもの事だしな。
と特に気にも留めず、帰り道にスーパーで買ってきた物を仕舞う為に冷蔵庫を開けると、冷蔵庫の中段には見慣れないコンビニスイーツ
《新商品》のシールが貼られたそれには何故かなるせの字で「A」の名前が書かれていた。
「…え？今日Aさんなんかの記念日でしたっけ？」
少し考えて、ライブ前のリハーサルを頑張る彼女を甘やかしたいだけなんだろうな…という考えに辿り着く。
ふたりは彼女に甘いからなぁ…
・
「ただいまぁ〜」
「Aさん、おかえりなさい」
日が暮れた頃、へろへろな顔をしたAさんがリハーサルを終えて帰ってきた。
「お疲れ様です」
「ありがとうございます。いやぁ流石に疲れました〜」
「…あ、おいしいやつだ！」
机の上の書き置きと焼菓子を見つけて「やったぁ」と弾む彼女の声
そのまま2階に上がって着替えと手洗いうがいを済ませたAさんは冷蔵庫を開けて不思議そうに俺の名前を呼ぶ。
「あらきさぁん」
「どうしました？」
「食べたかった新商品が冷蔵庫に入ってます…！」
「あ〜、それなるせが買って来たみたいですよ」
「え！？」
驚きと嬉しさが混じったなんともいえない表情でこちらを見る彼女は少し幼く見えて思わず笑ってしまう。
「Aさんが頑張ってるからご褒美って事じゃないですか？」
「…いいんですかね？」
チラリと2階のなるせの部屋がある辺りを見上げるAさん
きっと確認とお礼をしに行きたいけれど彼の部屋前には《配信中》のプレートが掛かっていたはずだから困っているのだろう。
「いいんじゃないですか？」
「じゃあ、食べちゃおうかな…？」
そう言ってカップスイーツとスプーンを手にいそいそとソファーに座るAさん
カップを開けて、スプーンで掬ってひとくち
幸せそうに顔を綻ばせる。
「デカフェのコーヒー淹れてあげますね」
「いいんですか…！？」
「いいですよ」
「ありがとうございます…！」
嬉しそうな顔でこちらを見るAさん
なんだかんだ言って俺もこの人には甘い…
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うたたね(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます☺️✨楽しんでいただけたようで幸いです💕 (10月1日 16時) (
レス) id: 6910b7a819 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白すぎて一気に読んでしまいました😍‼️幸せの具現化すぎて、一生読んでたいです😭🙏🏻 (10月1日 11時) (レス) @page20 id: 0439cd6fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うたたね | 作成日時：2023年6月24日 21時
