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いっぱいになったカゴを眺めて少し正気に戻ってしまいそうな私を見透かしためいちゃんが悪戯っぽく笑う。
「たまにはこの位ふざけた日も必要でしょ？」
「…たしかに」
めいちゃんに言いくるめられた様な気もするが、それが可笑しくてふたりで顔を見合わせて笑ってカートをレジへと走らせる。
「「なんでもない日バンザ〜イッ！！」」
なんて、本日の合言葉を口にしながら重いエコバックをふたりで半分こして家路を急ぐ。
さぁ、早く家に帰ってみんなでわいわいと食卓を囲んで、なんでもない普通の日を祝おうじゃないか。
《おまけ》
家に辿り着くとちょうど炊飯器がご飯が炊けた事を告げるアラームを高らかに響かせていた。
「めいちゃん、酢飯係ね」
「あいよぅ！！」
張り切って腕捲りをするめいちゃんに酢飯を任せて、私は得意のだし巻き玉子を焼いて、きゅうりとアボカドを切り、ネギを刻んでネギトロを作り、ツナ缶を開けてツナマヨを作る。
食卓に手巻き寿司の材料が並び出した頃、自室から出てきたあらきさんがキッチンに顔を出して「今日はなんのお祝いですか？」と首を傾げる。
「なんでもない日のお祝いです」
「お〜、そりゃ盛大に祝わないとですねぇ」
「あらきさぁん、なるせ起こして来て〜！」
「はいはい、任せてください」
よく分かっていないだろうに基本適当なあらきさんははしゃぐ私たちのノリに普通にノってきてくれた。
「…え〜、なんのお祝い〜？」
あらきさんに引き摺られて、寝惚け眼を擦るなるせも食卓に並ぶ手巻き寿司のセットを見て首を傾げていた。
「なんでもない日のお祝い！」
「ふたりとも早く席に着いてください」
「えぇ〜？なにそれぇ？」
意味がわからないと笑うなるせにはとりあえずジュースを、「なんでもない日ばんざーい！」と同じテンションではしゃぐめいちゃんとあらきさんにはお酒を持たせてグラスを掲げる。
「さぁ、みなさん準備はいいですか？」
大好きな仲間と囲む久々の食卓に、
日々それぞれのペースで頑張る私たちに、
今日というありふれたごく普通のなんでもない日に…
「「「「かんぱ〜〜〜い！！！」」」」
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うたたね(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます☺️✨楽しんでいただけたようで幸いです💕 (10月1日 16時) (
レス) id: 6910b7a819 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白すぎて一気に読んでしまいました😍‼️幸せの具現化すぎて、一生読んでたいです😭🙏🏻 (10月1日 11時) (レス) @page20 id: 0439cd6fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うたたね | 作成日時：2023年6月24日 21時
