+13.🍥とマヨウ ページ15
昼過ぎに目を覚ますと家の中はとても静かで、日向でのんびりと昼寝をする猫たちと俺しか居ないようだった。
その証拠にキッチンに掛けられたその日のそれぞれの予定を記入するボードには俺以外の3人の欄に打ち合わせや撮影の文字が並んでいた。
ソファーに座ってぼんやりとコーヒーを飲んでいると玄関のドアが開く音がして、マヨが帰って来た。
「ただいま」
「お〜おかえり〜」
大きめのエコバッグを抱えた彼女はそのままキッチンへと直行して買ってきた食材を冷蔵庫や戸棚に閉まっていく。
その動作はいつもよりほんの少しだけ乱雑で、なんとなく怒りの色が滲んでいた。
「マヨ？どうした？」
「ん〜？…うん」
曖昧な返事
こういう時、彼女は直ぐには感情を口にしない。
自分の中で整理して消化して、消化しきれなかった時にだけ言葉にする。
「俺、これで部屋戻るけどなんかあったら言いな？」
「うん、ありがと」
いつもよりもぎこちない笑顔を貼り付けた彼女はエプロンを身につけて作業台に食材を並べはじめた。
・
この家の住人たちは何故かストレスをキッチンで解消するヤツが多い。
マヨは永遠に野菜を千切りにしたり、オーブン料理や煮込み料理をジーッと見詰めて心を浄化しているし、めいちゃんはでかい寸胴で何かを煮込んでラーメンを振る舞いだすし、あらきは短時間ですごい品数の中華料理を作り上げて食卓を埋める。
集中して料理を作って、それを食べた人間に美味い！と言われることに喜びを感じるらしい。
男共はその笑顔をアテに酒を呑むのが最高のストレス解消法らしい。
まぁ分からなくもないが、実際の所は意味が分からない。
まぁ、ストレスを発散する為の料理の最中は一人にしてやった方がいいかな、と一応俺なりに気を使う。
(変なヤツらだねぇ…)
俺の足の間を撫でる様に通り抜けた彼女の飼い猫を引き連れてリビングを後にした。
・
作業をしながらいつものゲーム仲間達とくだらない会話
なんとなく小腹が空いてキッチンへと向かうと、オーブンの前にイスを持って来て庫内を眺めているマヨの姿
「あ、なるせ」
「ん？なんか焼いてんの？」
「うん、クッキー」
なるせは？と俺に問い掛けるマヨは、先程より落ち着いて穏やかな声色をしていた。
「なんか小腹空いたな〜と思って」
「甘くても良ければもうすぐ焼けるよ」
「まじ？やった〜」
「配信とかしてないよね？」
「うん、してない」
「焼けたら部屋に持って行くから待ってていいよ」
「やった〜」
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うたたね(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます☺️✨楽しんでいただけたようで幸いです💕 (10月1日 16時) (
レス) id: 6910b7a819 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白すぎて一気に読んでしまいました😍‼️幸せの具現化すぎて、一生読んでたいです😭🙏🏻 (10月1日 11時) (レス) @page20 id: 0439cd6fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うたたね | 作成日時：2023年6月24日 21時
