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土日の2日間で２つの県を跨いで行うツアー
前日のライブを終えてほぼ始発みたいな時間に新幹線に乗って、今日のライブハウスに辿り着くとまだライブの設営が始まった所で会場内の空気を身体に馴染ませるようにぶらぶらと歩き回って時間を潰した。
一通り会場内の散策を終えて楽屋に戻ると、楽屋前の廊下にケータリングのコーナーが出来上がっていて、水を一本貰おうと近付くと飲み物の横にキラキラと輝く色とりどりのゼリーのタワーが出来ていた。
そのタワーの上に貼られた張り紙には太字のマジックで
《イマダマヨウ様より差し入れをいただきました》の文字
「んぇ？マヨさんから差し入れ？」
「確かマヨウちゃんの地元だっけ？」
いつの間にか隣に立っていたバンドメンバーに驚きつつ遠い記憶を遡ると確かに昔聞いたような気がする…。
「あー、そうだったかも…？」
「えぇ？一緒に住んでるのに忘れたの？」
「いやぁ、俺基本記憶喪失なんで〜」
「でもマヨウちゃん律儀だねぇ…送ってくれたのかなぁ？」
嬉しそうにゼリーを眺めるメンバーとそんな話をしていると、楽屋から出てきたマネージャーが言う。
「いえ、先程ご本人が届けに来て下さいましたよ」
「はぁ！？」
「え！顔出してくれればいいのに〜」
呑気なバンドメンバーと全く知らなかった事実に若干動揺する俺
それを気にする素振りなんて見せずに更に衝撃の事実を重ねていくマネージャー
「あと、さっき物販にマヨウさんが並んでグッズ買ってましたよ〜」
「え゛！？」
あの人マジでなにしてんの！！？
あまりの衝撃にあんぐりとしていると左手に持っていたスマホがぶるぶると震えた。
通知を確認するとシェアハウス組のグループLINEで、TLにはマヨさんとめいちゃんの名前が並んでいた。
A めい!みて!無事げっと!!!
《あらきちくんぬいの写真》
めいちゃんお!よかったじゃん
A早めに並んでよかったよ〜!
.マヨさん?
Aあ、やばい…
A個チャと間違えました!!!
溜め息をひとつ吐いて彼女に電話を掛ける
『…はい』
「マヨさん…何してんすか？」
『差し入れついでに折角なので並んでみただけです…！』
「も〜！！来るなら言って下さいよ！」
『…すみません』
「…え、何ならライブも来ます？」
ここまで来たらライブも見に来るのでは？と淡い期待みたいなものを込めて彼女に問い掛けると、少しの沈黙のあと気不味そうな声が電話越しに聞こえた。
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うたたね(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます☺️✨楽しんでいただけたようで幸いです💕 (10月1日 16時) (
レス) id: 6910b7a819 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 面白すぎて一気に読んでしまいました😍‼️幸せの具現化すぎて、一生読んでたいです😭🙏🏻 (10月1日 11時) (レス) @page20 id: 0439cd6fa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うたたね | 作成日時：2023年6月24日 21時
