短編集【anm】 (ページ35)

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コンプレックスまで抱き締めて(nrs)＊ページ35

私は人よりほくろが多い…気がする。

腕やおなか…身体の色んな所にあるそれらは服で隠れるからいいけれど、問題は目元と口元にあるほくろ。
大好きな彼は可愛いねって言ってくれるけど私は気になって仕方がない。
今日も鏡の前で睨めっこ。

「…はぁ」

鏡を見て溜め息を吐く私をなるせくんは絶対に
見逃さない。

「A、まぁた睨めっこしてんの？」

可愛い顔をして小首を傾げるなるせくん
いいな、なるせくんの顔にはほくろがなくて…

「だってぇ」
「いつも言ってるじゃん、Aのほくろ可愛いよ？」
「…むぅ」

なるせくんの少し冷たい指先が私の目元のほくろをするりと撫でる。

「知ってる？ほくろってさ、前世で恋人に沢山キスされた場所なんだって」

「…なにそれ、キザすぎない？」

苦笑いを浮かべる私を見て目を細めてふにゃりと笑うなるせくん。

「俺は好きよ？Aの泣きぼくろも口元のほくろも」

「可愛くて、だいすき」

「Aが好きになれるように俺が毎日キスしてあげる」

チュ、チュ…とほくろに落とされるキス
触れられた場所から顔中が熱くなっていくのを感じて、なるせくんの胸板を押し返す。

「…恥ずかしいからいい！」

「はずかしがるAもかぁいいね」

ギュウ、と抱き締められて大きくなる心臓の音
ほんのちょっとだけ、このほくろの事が好きになれた気がした。

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リクエスト
《コンプレックスに悩む彼女をほめるなるせくん(泣きぼくろ、唇の横にほくろ)》

Twitterにて先行公開していたおはなし
この時の🍥くんは自分がした行動の恥ずかしさに耐えきれず多分耳が真っ赤です。