短編集【anm】

▼ ページ31

畳の上に寝転がったまま楽しそうにこちらを見つめるAさんの視線に心拍数が上昇して飲み過ぎたアルコールがぐるぐると全身を駆け巡る感覚。

めいちゃんとなるせに引き剥がされなかったらヤバかった…

「Aさん、すみません。…起き上がれますか？」
「ありがとうございます」

手を引いて起き上がらせると、拗ねたように口を尖らせてぽつりと呟く。

「あーあ、ざんねん…」
「おい、Aっ！あらきの事あんま揶揄うなよ！？」

珍しく真面目な顔で怒るなるせが面白かったのか、ケラケラと笑う彼女を見てプツリと何かが切れる音がした。

「「あ、ヤバ…」」

「うわっ！？」

2人が俺を静止するよりも俺が彼女を畳に押し倒す方が早かった。
再び組み敷かれたAさんの表情は先程とは異なり、狼狽えた顔をしていた。
つまり、今は俺の方が優勢なのだ。

「あ、あらきさん…？」

残った理性をフル稼働させて、少し怯えた顔をしたAさんを真っ直ぐ見つめて囁く。

「…Aさん？俺もね一応男なんですよ。だからあんま煽んないでください」

「…ッ、ハイ」
「分かればいいです」

押し倒してすみません、と彼女の腕を引いて起こせばその場にいた俺以外の全員が真っ赤な顔をしていた。

「…え、なんですか？」
「いや…」
「あらきさん、本当に大胆っすね…」

何かを失ったような気がするが、酒の所為という事にしておこう。

___________________________

リクエスト
《酔っ払った🍎さんがふらついて🌸ちゃんを床ドン。慌てて退こうとするも酔ってる🌸ちゃんが『🍎さん大胆だねぇ〜』ってフワフワ笑って🍎さんの理性ぶっ壊す…》

可愛いリクエストをありがとうございました！
お題箱を開いてこのお題を見た瞬間にあまりの可愛さににやにやしてしましました😌✨
オマケも書かせていただきましたので、そちらもあわせて楽しんでいただければ幸いです…！

▼ オマケ→←ウィスキー・トゥデイ(ark)＊

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す